為替とFX

為替とFX(10)FXの手堅い始め方

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投資にも思いがけなくセンスのある人がいます。しかし、いきなり上手く出来る訳でもなく、センスが利益に結び付くまでに半年かかったり、1年かかったり2年かかったりします。それまで負け続け、途中でお金が続かなくなったり、嫌になって止めてしまう人も多いと思います。

株式と違って、FXはリスクコントロールがすごくしやすい商品だと思います。

株式とFXの違いはこちら

この記事は、FXで利益をあげる方法ではなく、もし、センスがあるのならば、利益を上げられるようになるまで取引きを続けるための方法のお話です。

内容は、すごくシンプルで、リスクを抑えつつ経験を積みましょうというお話です。

FXのリスクの量を簡単に説明。

FX取引のリスクはどの位あるのでしょうか。このイメージが掴めないと投資など怖くて出来ません。米ドル/円で考えてみましょう。1米ドル100円とした場合、1000ドル購入すると購入金額は10万円です。為替相場が1円動くと1000円の損益が発生します。

では、為替相場は1日でどのくらい動くものなのでしょうか。

○○ショックや○○戦争のような大材料があった時には、1日に3~4円、1週間位の短期に10円近く動く事もあります。

通常の米国雇用統計の発表や、要人の発言でインパクトがあった時などで50銭~2、3円程度でしょうか。一概には言えませんが、大まかな目安です。

特にイベントのない時には、1日通して20銭~30銭なんて日も普通にありますし、1円も動けば今日は動いたなと感じます。

売買をすると、1番安い所でエントリー(ポジションを持つ事)出来て、1番高い所でエグジット(決済する事)出来る訳ではありません。

1日の内に、エントリーからエグジットまでの取引を終わらせてしまう事をデイトレードと言います。

デイトレードの場合、1回の売買で1日の値動きの幅の2割~5割も取れれば良い方なのではないでしょうか。より短期のデイトレードになると5銭~10銭の値幅を狙う取引きもあります。

通常のイメージで、デイトレードの場合、1日の値動きが50銭あったとして、1回の売買で取れる値幅は10銭~25銭というイメージになります。

※ 日々の値幅については、何か大きなイベントを控えていれば、連日1~2円の値動きを続ける事もあります。大まかな目安と思って下さい。

具体的な投資金額で考えると。

人により経済力も考え方も違うので、どのくらいの金額が大きな損金と感じるのかは、人それぞれです。ここでは、数年に1度のリーマンショック級のリスクが起こった時に2~3万円位の損金なら、今まで通り取引きを続けられるだろうというイメージで考えています。10倍でいける人は10倍で考えて下さい。

デイトレードで狙う場合は、1000ドル(約10万円)投資して、狙う値幅は、上手く取れて100円~250円(10~25銭)という事です。面白味に欠けるのではないでしょうか。

しかし、1000円~2500円を狙って、10倍の1万ドルを投資すると、○○ショックのような事が起これば、2~3日まごまごしていると10万円位の損金が発生します。

1ロット(単位)1万ドルで投資するという事は、状況によっては、押し目買いや買い乗せなどで、同時に3~5万ドル保有している場合もあります。そのタイミングで事が起こると、30万円~50万円も損金が発生してしまいます。

狙う利益の額と何かあった時の損金の額が、大きく離れていることが、投資金額を決める上で難しい所です。

リスクを抑えるためには。

リスクを抑える1番簡単な方法は、1回の取引金額を減らし、保有期間を短くする事です。

1ロット1000ドル(10万円)ならば、5ロット保有している時に、10円動いても5万円です。同時保有を最大3ロットまでと自分で決めておけば、10円動いても3万円です。さらに、取引きをデイトレードかオーバーナイトに限定すれば、値動きもせいぜい10円→3~4円になります。予想されるリスクは、最大でも9000円~12000円位になります。

しかし、上手くいっても得られる利益は1回の取引きで100円~300円程度(10銭~30銭の値動きで)です。面白味に欠けますが、それでかまいません。最初は、投資というよりもギャンブルに近い状態なのですから。

参考までに
株式(26)日本人はなぜ投資に消極的?投資 投機 ギャンブルの違い

「投資はギャンブルに類するもの」として捉えられてしまっている事こそが、日本人に投資が浸透しない一番の原因かと思います。私は、読み切れないリスクは常にありますが、勝ち筋の見えている物事に資産を注ぎ込む事が投資だと考えています。

経験を積むためには何をする?

FXについて知りたければ、書物や動画などで色々と勉強する事が出来ます。

しかし、経験を積むためには、とにかく売買の回数をこなす必要があります。

売買をするという事は、その売買1回1回に「売り・買い」の決断を下し、結果が出るという事です。エントリーする時には、毎回不安を断ち切って発注し、エグジットする時には、毎回未練を断ち切って決済します。持ちっぱなしでは得られない経験です。

同じFXの経験1年の人でも、買って持ちっぱなしで1年の人と、100回の売買を繰り返している人とでは、経験値は雲泥の差になります。

そして1回の取引きで1万円利益を上げたなら運要素も否定出来ませんが、100回の取引きで細かな利益を積み上げた1万円は、実力の要素がかなり濃いと思います。

相場ものの時価というのは、最新の材料が出てもすぐに価額に織り込んで来ます。織り込まれていない材料は不透明な材料ばかりなので、100%の自信を持って取引き出来る事などありません。常に「上がるかも知れないけど下がるかも知れない」という想いを抱えた状態で取引きします。

私が取引きする時は、70%の自信があれば喜んで取引きしますし、大抵は6:4位の自信で売買しています。すごく自信を持って取引き出来た時は、大抵何か見落としています(笑)。

また、金額を10倍にしたから、10倍の経験が得られるというものでもありません。失敗したら破綻するような金額で取引きしているのなら違うかも知れませんが、損金が10倍になる程度の違いでしたら、慣れてしまえば1倍でも10倍でも経験としては殆んど変わりはありません。

経験を積むためには、少額でも構わないので、地道に取引き回数をこなすしかないと思っています。同時進行で、書物や動画などでファンダメンタルズやテクニカルの勉強をしていきましょう。

本題です。どうやって経験を積む?

口座を開いたら、深く考えずに1000ドルエントリーしてみましょう。売りでも買いでも構いません。儲かりそうな方に。そして、10秒後にエグジットしてみましょう。すると、数十円~数百円の損益が発生すると思います。

僅か数十円~数百円の損益とわかっていても、発注する時には不安があったと思います。そして、どれだけ勉強してもその不安は払拭されません。むしろ強まっていきます。

勉強すればする程、疑問は増えていき、勝ちたい気持ちは高まるからです。そういう不安や未練を断ち切って発注していくのが実戦です。

十分に経験を積んだ後なら、1~2週間保有するスイングトレードや数ヶ月保有する中長期投資も良いと思います。しかし、経験が積むために、最初はデイトレードやオーバーナイトで取引きする事をお勧めします。スイングトレードでは、月に2~3回の売買しか経験出来ません。

評判の良いFX会社の中から2社紹介

FX会社は何処でも良いとは言いませんが、トップクラスの数社の中から選ぶのであれば、どのFX会社を選んでも、大きく後悔する事はないように思います。取引きを始める前の段階ではわからない事だらけですので、取引に慣れてから、どうしてもあちらが良さそうだというFX会社が出てきたら、それから乗り換えても遅くはないと思います。

1000ドル単位での取引きをお勧めしていますが、比較サイトなどで1位2位に推されている事の多いGMOクリック証券とDMM FXは、最低単位が1万ドル単位です。

1000ドル単位で取引き出来るFX業者の中で、お勧めしたいFX業者を紹介しておきます。

一社目は、LINE FXです。LINEの子会社のLINE Financialと野村證券の持ち株会社(親会社)の野村HDの共同出資のLINE証券のFX部門です。使い易さはLINEゆずり、金融会社としてのノウハウは野村證券ゆずりとなかなかのサラブレッドです。

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二社目は、ヒロセ通商(LION FX)です。JASDAQ上場の大阪のFX会社です。大手の証券会社に比べて一般的な知名度はありませんが、比較サイトの比較などでも、実力は大手と遜色ありません。加えて、他社にはない様々なキャンペーンがあります。

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経験を積むためのやり方として、こんな条件でやってみたらどうかという提案です。

  • 度に買う金額は1000ドル(約10万円)。
  • 押し目買いや買い乗せで、同時保有は最大3000ドル迄。
  • バランス良く、円買からもドル買からもエントリーする。
  • すべて当日若しくは翌日に決済する。
  • 1日の損金が合計1000円を超えたらその日はそこまで。
  • 売買の回数は1日3回以上何回でもOK。

この条件ならば、歴史的な何かが突発的に起こっても1万円程度、30日目一杯負け続けても月3万円程度のリスクに抑えられます。

この条件で1日3回以上の取引、1日300円以上の利益を目指します。

目標達成すると1月に90回以上の取引き経験と、9000円以上の利益が得られます。1日5回でも10回でも取引き出来るので、取引き回数は達成出来ると思います。しかし、利益目標は達成出来る日もマイナスになる日もあります。取引き出来ない日もあるでしょう。

月の目標としては、取引き回数100回以上、利益は4000円以上位が妥当な所でしょうか。

この条件で、月の利益4000円というのは、かなり厳しい条件のはずです。これを数ヶ月安定して達成出来たなら、実力と思って良いと思います。

「3000ドル1カ月持ちっぱなしで、結果2円動いて6000円の利益。」などと違って、運要素が非常に少ないからです。

つまり、才能がある可能性が高いという事です。

これが達成出来たなら、得られた4000円×数ヶ月の2万円程を原資に、取引き金額を倍にあげて数ヶ月、そこで得られた4万円も原資にさらに倍にと、徐々に取引き金額をあげていっても良いと思います。

FXの取引きは、1000ドル単位でも1万ドル単位でも10万ドル単位でも、やる事は同じです。月に4000円を実力で稼げる人は、月に4万円でも40万円でも稼げます。

損金50~60万円に2~3回堪えられる資金があるのなら、それに合わせて取引き金額を一気に10倍の1万ドルに上げても良いと思いますが、たまたまその1年の相場が自分に合っていた場合もありますし、リーマンショックのような大相場にも出くわしていない事を考えると油断は禁物です。

これをやる人は投資に向いていないかも

これをやってはいけません。利益を上げられてもいないのに見切り発車でレートを上げる事です。

相場に携わる者として、賭け事に例えるのは気が引けますが、麻雀でも競馬でも、勝ってもいないのにレートを上げたがる人が大勢います。大勢いるにも拘わらず、そういう人達で、トータルで勝っている人をあまり見た覚えがありません。

負けていてもレートを上げてしまう人は、投資のセンスや技術云々とは別に、精神的に投資に向いていない気がします。一度上げたレートを落とすことが出来ない人も同じです。リスクを抑える1番簡単な方法は、取引金額を減らす事ですが、これが機能しません。

今回のブログ記事は、投資を軌道に載せるための取り組み方です。1~2年我慢して、その後の投資人生を豊かにするイメージです。投資自体も知識欲が充たされ楽しいものですから、利益の額に喜びを覚えるのは勝率が安定してきてからで良いと思います。

しかし、投資は趣味としての一面もあります。リスクを承知の上で、利益が出て楽しい金額で続けるのも、正しい取り組み方だと思います。

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為替とFX(11)有事の円買いはなぜ起こる?ロシアのウクライナ侵攻に伴う円安は?

投資をしている人ならば1度は思った事があるのではないでしょうか。有事の際には安全資産が買われるはずなのに、なぜ米ドルに対しても円が買われるのかと。私の納得出来る理由は円キャリートレードでした。併せて、今回の円安にも触れています。

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為替とFX(9)バイナリーオプションはラダー・レンジ・タッチ

FXも投資の初心者が始めやすい投資ですが、バイナリーオプションはさらに初心者に優しい設計になっています。何より決済をしなくても良いというのが投資を易しくしてくれています。しかし、しっかり奥の深さもあります。

 

 

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