次ページ 為替とFX(2)リスク(レバレッジとロスカット・詐欺)
証券口座の外国債券は数年単位の為替の変動をベースにしていました。FXは数秒から数ヶ月がメインになります。大きく違いますね。まずは、その魅力からご案内致します。為替の説明においては、便宜上、円ドルを例に話していきます。
目次
株式と比べて、FXの魅力は期間を自分で決められること
株式との対比になりますが、FXはコストが安いため、少ない値幅を短期で狙うことに長けています。エントリーした後、先行きが不透明なら一度決済し、必要なら改めてエントリーし直すなどという事が、株式に比べて遥かに容易に出来ます。
これは、「かなり短い期間を先に決めて、それまでに結果が出なかったら仕切り直す」という取引きが気軽に出来るということです。市場が24時間開いている事と合わせて考えると、FXは空き時間に出来るコツコツ型の投資として優れているといえます。
FXの魅力をいくつかの項目別に説明します。
- 何と言っても手軽る
- 親しみやすい
- イメージが良い
- 外貨保有の手段として優れている
- 経済の知識が身に付く
- その他
などです。
1.手軽さ(少額・超短期売買・24時間取引き)
FXは手軽に始められる条件が、これでもかというくらい揃っています。ここからの内容はほぼすべてがFX業者によりますが、概ねどのFX業者もこんな条件です。
まず、少額で投資出来ます。例えば、為替が1ドル100円だとすると1万ドル投資するのにレバレッジを掛ければ最低4万円で投資出来ます。最低単位は1,000通貨単位や1万通貨単位が多いです。1,000ドルならば4,000円で始められますね。
そして、手数料はなく換わりにスプレッドというものがコストとして掛かりますが、1銭上がれば利益になるFX業者が多いです。
このコストの安さと相まって数秒から数分、数時間などのデイトレードの超短期売買も、普通に出来ます。
売買の発注方法も、指値・逆指値・ストリーミング(スリッページの幅を指定)や、損失を一定以上広げないためのロスカットなど様々な場面に対応しやすくなっています。
また、株式では株が下がったら儲かる空売りは少し敷居が高いのですが、FXは円高予想にも円安予想にも気軽に投資出来ます。下げ相場は見ているだけということがないのです。
さらに、FXは24時間取引きが出来ますので、日中働いている方でも、夕食後の一時や夜中、早朝など自分の都合の良い時間に取引き出来ます。超短期売買と組合せると非常に手軽になりますね。
因みに「夜中は取引きする人が少ないんじゃ?」などという心配は御無用です。日本の夜中はロンドンやニューヨークの昼間なので、むしろこの時間の方が取引きは活発です。市場はウェリントン(NZ)→シドニー(豪)→東京(日本)→香港→シンガポール→バーレーン→ロシア→フランクフルト(ドイツ)→チューリッヒ(スイス)→パリ(フランス)→ロンドン(イギリス)→ニューヨーク(米国)の順番で回っています。
不謹慎な言い方ですが、慣れるまでは「少額でゲーム感覚で覚える」なんて事も出来てしまいます。金額的には、株式などは初めから本番です。
FXは慣れてから本格的に始められます。「シュミレーションをすればいいだろう」と思われるかもしれません。それはそれで良いと思いますが、実際にお金を出して取引きしないとわからない事も多いと思います。特に自分の心の動きなど本番と練習では大きく違う人も多いかと思います。スポーツでも試合と練習は別物ですものね(メンタルの弱い人は特に)。
2.親しみやすさ
数ある経済指標の中で為替(米ドル)ほどよく目にする指標ないのではないでしょうか。次点で金や日経平均があげられますが、かなり大きな差があるような気がします。
株式や金は「上がろうが下がろうが知ったこっちゃない」という人が大半だと思いますが、為替は、海外旅行に行く、仕事で輸入品を扱っている、外国製品を良く買う、果ては輸入品の食べ物まで、様々な理由で関心を持っている人が多いと思います。見慣れていれば、イメージしやすいですね。
3.イメージが良い
これは賛否両論あるかも知れませんが、経済や政治に詳しい方や、関心があり勉強している方々ほど、株式やFXに悪い印象を持っている方は少ないような気がします。資本家と労働者の資本家側の発想になるのかと思います。
4.外貨運用の手段として優れている
長期で保有し続ける場合は外債の方が現物で買えるため安心感はあると思います。特に金利低下局面では債券の値上がり益も狙えます。
しかし、金利上昇局面などで売買しながら保有する場合、FXの売買コストの低さや流動性の高さ、レバレッジが掛けられる事などは、大きな魅力です。
長期保有しておくだけならば、他の手段でも良いと思いますが、運用となると、FXと他の手段では大きな差を感じます。
5.経済の知識が身に付く
これは言わずもがなですね。国内外の政治や経済活動、要人の発言などが為替に影響を与えますので自然と身に付いていきます。それにしても、インターネット、特に検索機能の向上は凄いものがあります。分からないと思った事が簡単に検索できます。しかし、Yahoo!ニュースやGoogleニュース、Microsoftニュースなどのネットニュースは、どうしても情報の片寄りが気になります。決して安くはないですが余裕があれば、日経新聞などの経済紙は読んだ方が良いと思います。
6.その他
スワップポイント
通貨ごとに金利が違うため、金利の低い通貨で金利の高い通貨を買うと金利の差額分がもらえます。逆であれば払う事になります。これをスワップポイントと言います。
日本はほぼどの通貨と比べても金利が低いため、円安に投資する場合はスワップポイントは貰え、円高に投資する場合は払う事になります。
決断力が養える
投資をうまくやっていくためには、当たり前のように損切りが出来ないといけません。
私の知るかぎりのあらゆる証券投資において、最重要と思える事の1つなのですが、なかなかに決断力が必要で、これが出来なくて「持っている金融商品が全部塩漬けになり全部合わせると大損になった」とか「買った商品が大きく下がって大損をしてやめた」という方々が非常に多くいると思います。
FXは他の金融商品に比べて小さな額でかなり短期の取引きが出来るので、取引きの決済をする回数ひいては小さな損切りをする回数が非常に多くなります。知らず知らずのうちに決断力が付いていくと思います。
まとめ
少額・短期・低コストに加えて24時間取引き、さらに為替という生活に身近かな指標が投資対象と、これから始めようという方に優しい設計になっています。
そして、外貨を持つという事は大きな意味で円資産に対するリスクヘッジにもなります。
経済の勉強にもなりますし、良いことずくめに思います。
投資に限らず長く続けていくには「儲かる」の他に「楽しいと思える事」も重要かと思いますが、こればかりは人それぞれです。1つ大切な事は、「楽しいと思える範囲を超えない金額で」という事ではないでしょうか。
FXはそれが出来る商品です。
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為替とFX(2)リスク(レバレッジとロスカット・詐欺)
FXのリスクは色々あります。今回は、損益の倍率を上げるレバレッジ、損金をあるレベルで確定させるロスカット、そして、一番やりきれない思いになるだろう詐欺のリスクです。