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信用取引に関する用語の中で誤解されやすい用語や、聞き慣れない用語をまとめました。まとめたというほどないんですけど・・・・

あくまでこのブログを読みやすくする目的で、なるべく短い文章でざっくりと説明しています。詳しく或いは正確に知りたい方はウィキペディアや広辞苑などをご覧下さい。

「あいうえお」順で少しづつ書き足していくつもりです。

あ行
委託(いたく)保証金

保証金・担保などとも言う。信用取引をする際の担保として預ける現金や有価証券の事。

委託保証金率

信用建玉(約定代金)に対する保証金の割合。信用建玉の損益がトータルマイナスの時はその額を保証金から差し引くが、トータルプラスでも足す事はない。

必要な委託保証金率は、新規建てした日の大引けの株価で計算する。金融商品取引法では30%と決まっているが、各証券会社独自で30%~40%の間で決めている事が多い。

驚いた事に、どこの証券会社の説明でも、委託保証金率と必要な委託保証金率の説明がごっちゃになっている。大元があってコピペでもしているのだろうか?

式で表すと、

委託保証金率(%)={(委託保証金-信用評価損)÷約定代金}×100。

委託保証金維持率(=維持率)

金融商品取引法では20%以上と決まっているが、各証券会社独自で20%~30%の間で決めている事が多い。

大引けの株価で計算して、委託保証金率がこの水準を割り込んでいると追証が発生する。

売建て禁止

→空売り禁止

追証(おいしょう)=追加保証金

大引けの株価で計算して、委託保証金率が委託保証金維持率を割り込んでいると発生する追加の保証金。

追証が発生すると、委託保証金の追加、若しくは、信用建玉の決済で、新規建てした日の終値で必要な委託保証金率になるまで委託保証金率を回復させなければならない。株価の値上がりでの回復は認められない。

 

か行
掛け目

→代用(有価証券)掛け目(だいようゆうかしょうけんかけめ)

貸株料

信用取引で空売りをする際、証券会社に株券を借りて空売りをするため発生する株券の借り賃。証券会社によって年率1%~3%弱掛かる。一般信用取引の方が高め。

貸株注意喚起銘柄

→注意喚起銘柄

株主優待の扱い

信用建玉では買建てていても貰えないし、売建てていても払う事はない。

空売り価格規制

空売りによる売崩しなどの相場操縦をさせないための規制。金融商品取引法で定められた規制で罰則がある。

前日終値から10%以上下落した株価で取引が成立すると、「トリガー抵触銘柄」になり、翌日まで空売り価格規制の対象になります。

トリガー抵触銘柄を51単元以上空売りする場合、成行注文は禁止です。また、状況によって、直近の約定価格以下、若しくは、未満での指値注文が禁止になります。以下と未満では、僅か1円などの違いですが、約定出来るかどうかの瀬戸際なので非常に重要になります。

トリガー抵触銘柄は東京証券取引所のHPに一覧が載っています。

空売り価格規制は、トリガー抵触銘柄を51単元以上発注する時の規制です。それ以外は関係ありません。

通常、トリガー抵触銘柄と知らずに、禁止となっている株価で51単元以上を1度の注文で発注してしまっても、取引所で審査され、その注文は失効になります。注意が必要なのは、51単元以上を複数回や複数の口座に分けて発注した場合です。故意でなくても法令違反になるので充分注意してください。よくわからない場合は、分割しない、分割する場合は51単元以上での発注、若しくは、やめておくのが無難かと思います。

空売り禁止

貸株不足を補うために、証券金融会社が掛ける規制。文字通り新規の空売りが出来なくなる。

管理費

新規の建玉が1ヶ月経過する毎に掛かる費用。同一日に建てた同じ売買の別の同一銘柄毎に、株数によって110円~1,100円掛かる。

期日

→信用期日

逆日歩(品貸料)

信用取引の売建ては、株券を借りて売建てるが、売建ての株数が増え過ぎると、株券を調達する証券金融会社は、生命保険会社などから株券を有料(日歩)で借りてきて調達する。買建てている株も調達先に当たるため、品貸料は売建てている人が払い、買建てている人は貰える。制度信用取引のみの制度で一般信用取引にはない。

金利

→信用買方金利。信用取引でただ単に金利というと信用買方金利を指す場合が多い。

権利処理価格

制度信用取引で建てた銘柄に、整数倍以外の株式分割があった場合、株数を増やすのではなく、建値を下げて調整する。建値の調整は理論値ではなく、入札によって決められた価額で行われ、その入札によって決められた価額を権利処理価格という。

権利落ち入札

制度信用取引の整数倍以外の株式分割があった銘柄は、建値の調整が行われる。建値の調整は権利処理価格で行うが、「権利処理価格」を決める過程において権利落ち(失権株の権利)入札が行われる。

現金担保=現担

現金で預けてある委託保証金。

現引き(=品受け)

信用取引で買建てていた株を、現金を払って引き取り現物株にする事。

現渡し(=品渡し)

信用取引で売建てていた株を、現物株を渡して決済する事。

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品貸料

→逆日歩(ぎゃくひぶ)

品受け

→現引き(げんびき)

品渡し

→現渡し(げんわたし)

信用期日

信用取引で建てた建玉の決済期限。制度信用取引ならば6ヶ月後の応答日までに反対売買による決済、若しくは、買建てならば現引き、売建てならば現渡し決済をしなければならない。一般信用取引は期日が無期限(信用期日のない)のものもある。

信用買方金利

信用取引でただ単に金利というと信用買方金利を指す場合が多い。信用取引の買方は、お金を借りて株を買建てるため発生する金利。証券会社によって違うが、年率で建て金額の概ね2%前後~4%弱。一般信用取引の方が高め。両端入れなので日計りでも発生する。

信用売方金利

信用取引の売方は、「株券を借りて売建て、売却代金のお金は預けてある」という考え方なので、本来は金利が貰えます。しかし、現在、信用売方金利は、0%なので貰えません。

貸株料とは別物だが、貸株料の事を信用売(方)金利と言っているサイトも多いので文脈で判断する。

信用取引残高=信用残

市場全体の信用取引の買残高の合計や売残高の合計。集計は2つあり、証券取引所が集計している「信用取引残高」と、証券金融会社が集計している「貸借取引残高」です。

証券取引所の「信用取引残高」は、毎週第2営業日の16:00頃に、前週末分が公表されます。規制の掛かっている「日々公表銘柄」は毎日公表されます。データには、制度信用取引だけでなく一般信用取引の分も含まれるため、正確な量が知りたい場合はこちらです。

証券金融会社の「貸借取引残高」は、証券会社が証券金融会社に繋いだ分のみの集計ですが日々公表されます。正確な量よりも変化をいち早く知りたい場合はこちらです。

信用買(売)残高が多いという事は、近い将来決済のための反対売買がされるという事で、相場の重石になると考えられます。一方で、それだけ魅力的な材料があるという事でもあります。

信用取引残高が多いという事は、上がるとか下がるではなく、ボラティリティが高く、材料の評価次第で大きく値動きしやすいと考えられます。

制度信用銘柄

制度信用取引で買建てのみ可能な銘柄。買建ても売建ても可能な銘柄は、貸借銘柄。

貸借取引

制度信用取引で、「顧客 ⇔ 証券会社 ⇔ 証券金融会社」の「証券会社 ⇔ 証券金融会社」の部分のやり取り。

貸借銘柄

制度信用取引で買建ても売建ても可能な銘柄。買建てのみ可能な銘柄は制度信用銘柄。

代用(有価証券)掛け目

信用取引の担保(委託保証金)を、現金ではなく有価証券で代用する場合の現金換算率。株式の掛け目80%ならば100万円分の株式で80万円分の担保という事。証券会社によって違いはあるが、株式や投資信託は80%という証券会社が多い。国債や社債などは、担保に出来る証券会社と出来ない証券会社がある。

代用有価証券=代用担保

委託保証金のうちの、株式や債券、投資信託などの有価証券で差し入れたもの。

建玉

信用取引で買建て、若しくは、売建てしている株の事。

担保

→委託保証金(いたくほしょうきん)

担保不足

「新規建てした日の終値で必要な委託保証金率」に担保が不足している状態。解消しないと新規建ては出来ない。

注意喚起銘柄

正式には貸株注意喚起銘柄。このまま、信用売残高が増加していくと、貸株不足が発生し、逆日歩が付いたり、空売り禁止になるかも知れませんという注意を促されている銘柄。

追加保証金

→追証(おいしょう)

つなぎ売り

現物で保有している銘柄を信用取引で売建てる事。株主優待取りや税金対策などで使われる。

現物で保有している銘柄を信用取引で売建てる事をつなぎ売り、現物株で保有している銘柄を信用取引でも買建てる事を二階建て、信用取引で買建てと売建ての両方を建てる事を両建てと言います。

二階建て

現物株で保有している銘柄を信用取引でも買建てる事。その銘柄が値下りすると、担保が目減りすると同時に信用評価損が拡大するためリスクが大きいとされている。証券会社によっては禁止している。

現物で保有している銘柄を信用取引で売建てる事をつなぎ売り、現物株で保有している銘柄を信用取引でも買建てる事を二階建て、信用取引で買建てと売建ての両方を建てる事を両建てと言います。

反対売買

信用建玉を決済する時の決済取引の事。

日々公表銘柄

証券取引所が、売買が過熱していると判断した銘柄について、信用取引の利用を控えるように促すため、通常、週に1度の信用残高の公表を毎日公表する措置を取った銘柄。

保証金

→委託保証金(いたくほしょうきん)

増担保規制

証券取引所が日々公表銘柄の次に掛ける規制。増担保規制の掛かった銘柄のみ、必要な委託保証金率が50%(内現金担保20%)などと引き上げられる。

マージン

信用取引の事。

 

両建て

信用取引で、同一銘柄の買建てと売建ての両方を保有する事を両建てと言います。損得の面から言えば得になる事は何もありません。年末を挟んだ税金対策や、実現益に拘った取引をする時に使えます。

現物で保有している銘柄を信用取引で売建てる事をつなぎ売り、現物株で保有している銘柄を信用取引でも買建てる事を二階建て、信用取引で同一銘柄の買建てと売建ての両方を保有する事を両建てと言います。

 

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これから投資を始める人も、もう始めている人も、投資対象は何か? 売買のタイミングは? 投資期間は? どういう投資方法で?などのイメージを持っていると思います。今回は、投資対象のお話とタイミングのお話です。

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株式(37)信用取引 両建ての恐怖と実現益への拘り

損切りに慣れる事は大切です。しかし、損失の垂れ流しに慣れてはいけません。難しい所です。投資を続けていくためには、損切りは凄く大切ですが、実現益に拘る強い気持ちも大切です。

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