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株式(39)知っているだけで役に立つ売買のコツ(1)

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株式の売買をする時のちょっとしたコツや注意点で、知っている人は知っているけれども、知らない人も多いように思えるお話(1)です。そして、知らないとちょっと不利なお話しです。

これから投資を始める人も、もう始めている人も、投資対象は何か? 売買のタイミングは? 投資期間は? どういう投資方法で?などのイメージを持っていると思います。

今回は、投資対象のお話とタイミングのお話です。

自分の好きなやり方で良いと思いますが、組み合わせには相性の良い悪いがあります。

時が過ぎると、検索しても得にくい情報がある

株式は、せっかく数千銘柄あるのですから、幅広く旬なテーマや話題の銘柄を追っていく事は楽しみの1つですし、経験を積む上で色々な銘柄に手を出す事は大切な事です。

一方で1銘柄~数銘柄を深掘りし、ずっと継続して売買していく事も、こちらは勝つために大切な事です。

銘柄を幅広く勉強するのはチャンスを増やすため、深く掘り下げるのはチャンスに勝つためです。

株式には、銘柄それぞれに、値動きの癖や特徴があります。その銘柄に集まる投資家の属性が違うためと思われます。

セクター毎などの大きな括りでは、指数取引に使われる銘柄や、機関投資家や外国人投資家の好む銘柄、個人投資家の好む銘柄などがあります。

更に個人投資家の好む銘柄は、お金持ちの好む銘柄(例えば優良株)や、長期保有の庶民の好む銘柄(例えば株主優待)、博打好きの集まる銘柄(例えば材料株)など、それぞれ集まる投資家の性格や行動は違います。

セクター毎の値動きの癖や特徴は、出版物にまとめられていたりするので、株にすごく詳しい人達に勝てないかも知れません。

しかし、個別銘柄、特にアナリストが殆んどレポートを書かないような銘柄の値動きの癖や特徴は、ずっとその銘柄を追っている人の方が詳しかったりします。

例えば、個別銘柄の過去の小さな材料などは、ネットで検索してもヒットせず、記憶が頼りの部分があります。

過去に30%増益だった時の確報値でない事前予想の数値とか、その時の値上がりの尺度は、値幅だったのかPERだったのかなどがそうです。

他にも、関連銘柄や類似銘柄として連動して動く時の順番や値幅なども、ずっとその銘柄を継続して売買していると感覚がつかめてきます。

また、通常の銘柄は好材料が出れば値上がりし、悪材料が出れば値下がりするものですが、銘柄によっては材料出尽くしでいつも逆の値動きをする銘柄もあります。また、「ある好材料にはいつも反応しない。反応してもそこは絶好の売り場。」などという銘柄もあります。

同じ銘柄をずっと追っていると、自分の記憶がプロでも持っていない武器になります。

銘柄の癖や特徴を覚えるというのは、いわゆる得意な銘柄を持つという事で、勝率を上げるコツになります。

 

好みの株価位置やタイミングは人それぞれ

売買するタイミングにも人それぞれ好みがあります。下がった所を買うのが好きな人もいれば、良い材料が出て上がった所を買うのが好きな人もいます。

これは過去に気持ち良く儲かった経験があると、その印象が強く残るためと思われます。どんな銘柄でもPERを聞いてくる人や、何度やられても素高値を平気で買っていく人って周りにいませんか。そういう人は、昔上手くいった話などを聞くと、大抵その方法で上手くいった経験を持っています。

一方で、自分がやらないやり方の思考には理解に苦しむ事もありますが、ちゃんと理由があります。

 

高い株価位置を買う時の注意点

例えば、普段下がった所を買う人は、中長期売買で数週間上がり続けている銘柄や、短期売買で2日~10日ほど大幅高している銘柄は怖くて買えないのではないでしょうか。

上がり続けている銘柄を買える人の思考は、順張りの思考です。ずっと上がり続けて来たのに、自分が買った途端に下がり出す事はないだろうという思考です。強烈な上げ相場で儲かった経験があると理解出来ます。

中期線でも短期線でも一波動を取るのに向いた投資方法です。「上がっている間に買って上がっている間に売ってしまえば良いだろう」という考え方と相性が良いです。

しかし、一本調子で上がっている銘柄も、より短期の移動平均線で見ると上下動を繰り返しています。トレンド系に対してオシレーター系といわれる指標です。

上手くやろうとして、より短期の移動平均線での押し目を買おうなどと考え出すと、わざわざ相場の転換しそうなタイミングを選んで買ってしまう事になりかねません。

「テクニカル的なリスク最小のタイミング ≒ ファンダメンタルズの転換するリスク最大のタイミング」という場合もあります。私は何度もしでかしています。

いつも自分が買うと下がり始めるという人は、小賢しい事は考えずタガを外して買う勇気も必要です。

その他に、テクニカルよりもファンダメンタルズを優先する場合も、チャート上の高値を買っていく事があります。テクニカル的なリスクは大きいけれども、ファンダメンタルズ的なリスクは小さいという場合です。

短期張りでは材料株、中長期投資では高成長株などと相性の良い投資方法です。

 

底値横這いの株を買う時の注意点

低い株価位置にある銘柄は、底値横這いの銘柄値下がりして来て安値にある銘柄があります。

底値横這いの銘柄を買う時は、上がらない理由が隠れていないか?株価位置が安いという以外に上がる理由がないのではないか?という事に注意するべきです。

ここを見のがすと、ず~~~~っと上がらない銘柄を保有してしまう事になりかねません。私は何度も失敗しています。

上がらない理由は、四季報などではわからない事が多いように思いますが、「(銘柄名) 上がらない」などで検索すると意外とあっさりわかる事も多いので、試してみる価値はあると思います。

そして、もう1つ見落としがちなのが、注目される理由がないという事です。割安に放置されている銘柄など何百とあります。その中で、この銘柄に焦点が当たるという理由がないと、ずっと見向きもされなかった銘柄が、自分が買った途端に都合良く上がり始める理由もないと思います。

何週間後の何月何日、このイベント、或いはこの材料をきっかけに上がって来るのではないか?という予想がたてられる時に買いましょう。

底値横這いの銘柄への投資は、割安株投資などに向 いています。

 

値下がりして来て安値にある銘柄を買う時の注意点

値下がりして来て安値にある銘柄を買う時、俗にいうバーゲンハンティングの注意点は、下がった所ではなくこれから上がるだろうタイミングを考える事です。

タイミングを外すと、更に値下がりしたり買い逃したりするため、底値横這いの銘柄よりもタイミングは難しいです。

今がそのタイミングだと思って買っても、少し早かったり遅かったりタイミングはズレると思います。そして、掉尾の一振などとも言いますが、最後の一振りはすごく大きく動く事がままあります。少し早いと思いがけない損金が発生したり、少し遅いと買い逃してしまう事もあります。

対策としては、打診買いを入れる事をお勧めします。

少しタイミングが早くて、打診買い→押し目買い(本命買い)と逆張りになる場合もあれば、タイミングピッタリで打診買い→買乗せ(本命買い)と順張りになり少し高くなってしまう場合もありますが、大きな失敗は減らせると思います。

タイミングは人によって、いつも早い人やいつも遅い人がいます。いつも、思っているより3日早いとか、数日遅くタイミングが来るとか、自分の癖を知っていると調整が効きます。

値下がりして来て安値にある銘柄への投資は、個別の材料ではなく全体相場で大きく売られた時や、下げの材料が大きすぎてパニック売りが絡んだ銘柄など、一時的に銘柄の実力以上に売られている銘柄への投資に向いています。

次回は、投資期間のお話と、してはいけない指値のお話、迷って時間を掛けてはいけないお話です。

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これから投資を始める人も、もう始めている人も、ある程度具体的な投資のイメージを持っていると思います。今回は、投資期間のお話と、してはいけない指値のお話、迷って時間を掛けてはいけないお話です。

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信用取引に関する用語の中で誤解されやすい用語や、聞き慣れない用語をまとめました。まとめたというほどないんですけど・・・・。あくまでこのブログを読みやすくする目的で、なるべく短い文章でざっくりと説明しています。

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