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株式(2)3つのリスクと、コストを考えたリスクヘッジと分散投資

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前回は株式の大きな魅力と銘柄選定の難しさについてでした。今回は、株式のリスクとリスクヘッジについてです。

3つのリスク(株価変動リスク・流動性リスク・信用リスク)

株式のリスクで代表的なものは3つあります。株価変動リスク・流動性リスク・信用リスクです。このうち、毎回向き合うリスクが株価変動リスクで、株式のリスク対策と言ったらほぼこれに尽きると言って良いでしょう。もちろん、他の2つも大きなリスクですが、頻度も対策も株価変動リスクに比べたらかなり限られています。そして、この2つのリスクの殆どが株価変動リスクに集約されます。

株価変動リスク 色々なリスクがここに集約してきます

株価変動リスクは読んで字のごとく、株価が変動し損益が発生するリスクです。国内外の政治、経済、為替、個別企業の業績や噂などあらゆるものがその要因となります。いろいろな要因が絡み合っているため、複雑である反面、銘柄の組み合わせなどでリスクヘッジもしやすくなります。これはFXにはない株式のメリットかと思います。リスクヘッジ・分散投資については後述しています。

流動性リスク 思い通りに売買出来なくなるリスクです

流動性リスクは市場全体に発生する事もありますが、ここで考えるのは個別銘柄に発生する場合です。元々取引きが少なくて注文がまばらにしか入っていないとか、全く入っていない銘柄もあります。そういう銘柄は、自分の数十万円や数百万円の注文で株価が大きく動いてしまう事もあります。また、大きな良い話(材料)や悪い話(材料)が出て、注文が買いや売りに大きく片寄ってしまうと値段が付きません。デフォルトリスクが絡むと数日間値段が付かない事もあります。

元々取引きが少ない銘柄は買う段階でわかりますが、何か良い材料があって買う時は、普段より出来高が多くなっていますので、本来はもっと少ない事を考慮に入れて下さい。

好材料や悪材料での値付かずは対応のしようがあまりありません。私に唯一言える事は、値の付いていないうちに考えて、値が付いた時に「迷うな!」と言うことです。ほんの数秒の違いで売れるか売れないか決まる事があります。もちろん、裏目に出ることもありますので、難しい所です。

信用リスク  企業の安定性が損なわれるリスクです

紛らわしいですが、株式の信用取引とは全くの別物です。株式の信用取引は証券会社が顧客に信用を供与する取引き、信用リスクは株式の発行会社の信用力の変化のリスクです。

株式の発行会社の経営が悪化し債務超過や債務不履行を引き起こし、上場維持の基準を満たす事が出来ず上場廃止や、最悪の場合、経営破綻してしまうリスクを信用リスクの中でもデフォルトリスクといいます。上場基準を満たさなくなると、まず投資家に注意を促すために監理銘柄になります。監理銘柄にいる間に改善されず上場廃止が決定すると、整理銘柄に移り、後日上場廃止になります。経営破綻は倒産ですね。上場廃止と経営破綻は別物です。上場していない株式会社はいっぱいありますよね。どちらも株価を大きく下げる要因になります。監理銘柄から上場廃止にならずに復活してくる会社もあります。しかし、ここまで業績が悪化すると自力で再建出来ない事もよくあります。どこか別の会社が資本参加して再建となると、90%減資や100%減資などの条件付きで資本参加して来ますので、株価が上がっても減資前の既存の株主は助からない事もよくあります。

上場廃止や経営破綻までいかなくても企業の格付けが下がる事なども(格付け会社は評価しているだけと言いますが)実際に影響が出ていれば、信用リスクになると思います。格付けが下がるという事は破綻の可能性が高まったと見られるからです。

信用リスクの難しい所(1)粉飾決算

問答無用で許せないのが粉飾決算です。株式投資をやっていない人にはピンと来ないかも知れませんが、投資家にしたら上場会社の大がかりな詐欺です。株式投資は決算内容が総べての前提になります。統べてです。その決算が嘘なのですから、決算発表や四季報を疑って掛かるレベルでないと避けられないと言うことです。しかも、相手は公認会計士や財務省やSECを騙すつもりで来ているのですから、個人投資家に見抜けるような話ではありません。「実は、債務超過だったんです」とか言われても、運用の損金はほぼ投資家が支払う事になります。しかも、仮に経営破綻を免れても、罰則で上場廃止になる事もあります。「え?それ誰が払うの?!」って思います。そんな会社を野放しにして、新しい犠牲者を出すわけには行かないというのもわかりますが、踏んだり蹴ったりですよね。

信用リスクの難しい所(2)業績の悪い会社は魅力的?

四季報の自己資本比率や、格付け会社の格付けで信用リスクを推し量ることは出来ます。しかし、破綻の心配があると言われているような銘柄は沢山あります。景気が悪くなって来るとさらに増えます。「そういう所に手を出さなければいい」と言う意見も多いのですが、そういう会社は、ちょっとしたことで業績の変化率や株価の変動率が大きくて、投資対象として魅力的だったりします。なかなか投資対象から除外しにくいのです。

例えばトヨタやソフトバンクに「ちょっと優秀な人材が5人入社しました」と言われても、株価にそれほど影響しないでしょう。ニュースにさえならないかも知れません。しかし、破綻のリスクのある会社でしたらそれだけで株価が2倍とか5倍とかになる可能性だってあります。

因みに、勤めるのに良い会社と投資対象として良い会社は違います。余程の超長期投資は別にして、多角経営などで経営の安定している会社は、一業種で良い話や悪い話があっても、全体に与える影響は何分の1かになり、良くも悪くも安定しています。不景気にも抵抗力があり勤めるのには良い会社です。逆に、一つの製品の売行き次第で、業績がジェットコースターのように上がり下がりするような会社は、勤めるのにはスリリングすぎるかもしれませんが、投資対象としては面白い会社です。

リスクヘッジと分散投資の考え方

株価変動リスクの要因を全てヘッジするためには株式投資をやめるしかありません。

リスクヘッジはコストを考え、しなくて良いヘッジはしない

リスクヘッジは、晒されているリスクの中で、どのリスクをヘッジするか選んで、そのリスクを相殺させます。

例えばA社の株を買ったとしましょう。良い会社なのですが、この会社は為替が円高になった時は利益が減る懸念があります。私がもし、円高になる可能性が結構高いと思ったらFXの円高ポジションを取るなどして為替の部分のリスクヘッジをするでしょう。しかし、もし円安に動いたら。A社は利益を伸ばすでしょうが、私はその分ヘッジしたFXで損金が発生します。

同じようにライバルのB社にシェアを奪われるという懸念があったなら、リスクヘッジでライバルのB社の株を買っておけば良いのですが、シェア争いにA社が勝ってもその分のA社の値上がり益はB社の値下がり損で相殺され取り損ないます。また、それ以外のリスク、例えば不景気になったら、A社もB社も値下がりするリスクは逆に増えます。

明確な意図を持ってリスクヘッジをした場合、思い通りの結果になった時には、ヘッジした分損失が出てリターンが減ります。投資は儲ける為にやっているので、しなくて良いリスクヘッジはするべきではありません。出来るリスクヘッジは「何でもかんでもヘッジする」という考え方はやめましょう。そして、ヘッジするリスクを明確に選ぶ事でリスク管理を行います。

分散投資の考え方  銘柄ではなくリスクを分散させます

対して、分散投資は別々のリスクの投資対象に分散させる事です。我々が投資対象を決める時には理由があります。そして、一番自信のある理由で投資銘柄を決めます。分散投資をする時に、ただ単に銘柄や業種を分散していると、全部同じ理由で買っていた。分散投資をしていたのに「全部一斉に下がってしまった」なんて事がよくあります。空売りを交えてさえも、同じ理由(円安銘柄を買い円高銘柄を売る等)で売り建てていると股裂きにあったりします。意識して、一番自信のある理由に絡まない銘柄にも投資をしましょう。業種や銘柄を別けるのではなく、リスクを別けるのです。それが分散投資になります。分散投資とリスクヘッジは意識して使い、使い分けましょう。

リターンを取るために  数量のコントロールも有効です

最後に、一番大きなリスクなのにリスクヘッジも分散投資もしづらい要因についてです。

例えば、「好景気」という大きな環境で投資をしていたとして、その好景気を支えている大元の要因が「円安と原油高」だったとします。この場合、普通は「円安と原油高」にはヘッジを掛けません。ここにヘッジを掛けてしまってはリターンが取れなくなってしまうからです。このリスクへの対処方法は、円安や原油高が終息する兆しがないかウォッチし、数量をコントロールする事がメインになります。この大きな要因の次に来る材料やテーマで、分散投資やリスクヘッジをしていったら良いと思います。稀に、この大きな要因の絡まないと思える材料やテーマがあります。投資対象として魅力があれば、貴重な分散投資先になります。

なお、リスクヘッジに関しては信用取引の空売りが、分散投資に関しては時間(価格)分散が非常に効果的な手法になります。買い100%でいくよりは買い70%売り30%でポートフォリオを組む方が安定します。時間分散は、時間を分けて投資します。注意して欲しいことは、漫然と3回にわけるだけとかしない事です。例えば、逆張りで底が近いと思った所で打診買い、いよいよ反発かなという所で本命の買い、上がり始めた所で追加の買いなどのように意味を持って買います。

次回は、株式 最初からやるべき上達のコツです。

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