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OP(7)日経225オプションの価値と値動きの目安

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途中売買する時のオプションの価値について、インザマネーの状態とアウトオブザマネーの状態に分けて説明します。

オプションの買建てのメリットは、損失をオプション料に限定しつつ原資産の値上がりを享受出来る事です。デメリットはオプション料が掛かる事と期限がある事です。

オプション価格は、本質的価値と時間的価値の合計になります。決済日には時間が0になるので時間的価値も0になります。しかし、それまでは時間的価値は大きく変動します。

日経225コールオプションを例に説明

日経平均株価が行使価格を上回っていて、本質的価値がある状態をインザマネーと言います。そして、日経平均株価が行使価格を大きく上回っている状態をディープインザマネーと言います。

逆に日経平均株価が行使価格を下回っていて、本質的価値のない状態をアウトオブザマネーと言います。そして、日経平均株価が行使価格を大きく下回っている状態をディープアウトオブザマネーと言います。

そして、日経平均株価に1番近い行使価格のオプションをアットザマネーと言います。アットザマネーは若干のインザマネーかアウトオブザマネーになります。

当然、日経平均株価の変動によって、アウトオブザマネーのオプションがインザマネーになったりインザマネーのオプションがアウトオブザマネーになったりします。

インザマネーのオプション

インザマネーのオプション価格の値動きのうち、日経平均の騰落が原因の値動きは本質的価値の変動です。

本質的価値とは

コールオプションの本質的価値は[(日経平均株価-行使価格)×1000]で計算されます。

プットオプションの本質的価値は[(行使価格-日経平均株価)×1000]です。

権利の価格なのでマイナスはなく最低0円です。

本質的価値はハッキリと金額が計算出来る価値です。

本質的価値のないオプション1枚は数万円~数十万円で買えますが、本質的価値は日経平均1円の値動きにつき1000円の値動きになります。日経平均1000円の値動きで100万円、10000円の値動きで1000万円にもなります。

本質的価値は、日経平均が大きく変動する事により、値幅は時間的価値よりも遥かに大きなものになります。

インザマネーの時間的価値は、再度日経平均が行使価格を割り込んでしまった時に、損失がオプション料のみに限定される事への対価です。

そのため、本質的価値が増えれば増える程リスクが減るため、インザマネーの時間的価値は減っていきます。

アウトオブザマネーのオプション

アウトオブザマネーのオプションも日経平均株価の騰落が原因で増減しますが、それは、本質的価値が生まれるのではないかという期待値によるもので時間的価値です。アウトオブザマネーのオプションに本質的価値はありません。時間的価値のみです。

時間的価値とは

時間的価値とは、損失をオプション料に限定しつつ、原資産が変動し本質的価値が生まれる可能性を価値にしたものと言えます。

時間的価値は、株価位置と、時間の長さと質によって決まります。

原資産と行使価格が離れていると、本質的価値が生まれる可能性が低く時間的価値は少なくなります。

しかし、原資産が行使価格に近付いて来ると、本質的価値が生まれる可能性が高まるため時間的価値は急激に上昇します。

時間的価値は日経平均=行使価格で最大になるため、アウトオブザマネーのオプション価格もアットザマネーで最大になります。

時間的価値は、本来価値のないものが期待で値動きするため、期待値の低い時の価格は低く、変動率は本質的価値よりも高くなります。しかし、数万円が数十万円にはなりますが、時間的価値はどこまでも増えるという事にはなりません。

時間的価値は時間の長さに比例するので、期限に向けてずっと減り続けて行く事になります。

仮に残存日数30日で30万円のアウトオブザマネーのオプションがあったとします。日経平均やボラティリティの変化がなければ、毎日1万円づつ減って行くと思って良いです。

ところで、残り30日あれば1日で減る時間的価値は1/30で3.33%ですが、残り10日では1/10で1日で減る時間的価値は10%になります。同じ金額を投資する場合、期限の短いもの程1日で減る時間的価値が大きい事に注意して下さい。

時間的価値は時間の長さに比例しますが、変動率(ボラティリティ)が高まると、時間が減っていても時間的価値は上昇します。

これは「時間の量は減っていても質が上がっている」と思っていただくとわかりやすいと思います。

具体的な例でいうと、指標の発表や要人の発言などを控えていると、ボラティリティが高まり、時間的価値は上昇します。

 

アットザマネー

日経平均の現在値に1番近い行使価格のオプションをアットザマネーと言います。アットザマネーは厳密に言えば、インザマネーかアウトオブザマネーのどちらかです。

オプションの価格の私のイメージは、残存日数30日位の時間的価値のみで、アットザマネーで50~60万円位、500円離れていて30~40万円位、1000円離れていて15~30万円位のイメージです。インザマネーの場合は、それに本質的価値が加わり500円離れていて80~90万円位、1000円離れていて115~130万円位のイメージです。これは、ボラティリティ等によってこの金額から大きくずれますが、まったくイメージの湧かない人は参考にして下さい。

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OP(6)株価指数オプション取引の仕組みと期日での決済

前回の内容と重複する所もありますが、株価指数オプションの仕組みを少し詳しく説明します。前回はある程度主観を交えた内容ですが、今回は、なるべく客観的に、余計な事も含めて説明していこうと思います。

 

 

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