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OP(2)日経225オプション 100万円が4億円にならない理由

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前回は、8/31~10/25の期間に、日経225オプションのわずか4回の売買で、100万円が4億3213万6800円になるシミュレーションのお話をしました。

今回は、心の葛藤を考慮すると「そう簡単ではないよね。」というお話です。

8/31~10/25の日経平均の値動きです

日経平均は8/20に安値26954円を付けた後、8/31の昼休みから本格的に上がり始め、中々抜けなかった27800円の壁をあっさり抜き、その日の内に28000円も抜けて終りました。その後はほぼ一本調子に30000円を抜き、9/14に30795円の高値を付けています。

日経平均
日付 日柄 始値 高値 安値 終値 値幅(高安) 値幅(始終)
8/20 (参考) 27238 27316 26954 27013
8/31 11 27690 28158 27602 28089
9/14 14 30584 30795 30504 30670 +3193 +2980
10/6 22 28033 28209 27293 27528 -3502 -3142
10/20 14 29385 29489 29222 29255 +2196 +1857
10/25 5 28527 28668 28472 28600 -1017 -858

 

それが上手く出来ない理由

8/31に行使価格28500円の日経225コールオプションを20万円で5口(100万円)購入し、9/14に売却したら1085万円になっています。

それが上手く出来ない理由を考えます。

7月中頃からの日経平均は一本調子で2000円も3000円も動く事はなく、動いても500円上がっては300円下がり、1000円上がっては700円下がるような小幅な値動きを繰り返していました。タイミング良く購入出来たオプションは、簡単に翌日には5割高、翌々日には2倍3倍になったりします。しかし、その数時間後や数日後には元に戻ってしまっている事も珍しくありません。

オプション取引は数日から長くても1ヶ月前後の期限があり、期限が来ると時間的価値はゼロになります。小まめに利益を取っていかないとひたすら損失を出し続ける事になりかねません。

1つ目の簡単ではないポイントは、投資タイミングが1日か2日ずれるだけで状況が大きく変わる事です。

高値日を1日読み違えたらリスクが増大し、もう大きくは乗れません。

8/31の日経平均は、始値27690円、終値28089円です。更に9/1 終値28451円、9/2 終値28543円、9/3 終値29128円です。

7月中頃から8/30の日経平均の高値は8/12の28279円でした。

翌日に直近の高値を抜いている事から、1日か2日遅れただけでコールよりもむしろプットを選択してしまう人も多いと思います。

ブレなくコールの購入を選択出来たとしても、日経平均が2,3日前から1000円以上も上がってしまっているタイミングでは、購入する行使価格も上がり、日経平均が値下がりするリスクも跳ね上がってしまっています。

投資出来る金額も思い切って100万円とはいかず、30万円とか50万円になってしまうと思われます。

オプション取引程のハイリスク商品になると、ほんの少し予想がずれただけで、心理的な葛藤と導き出される行動が大きく変わります。

たった2日3日の違いで、利益は1/3にも1/5にもなってしまいます。ただ、それでも他商品と違い、元金からすると2倍3倍といった値上がりです。

2つ目の簡単ではないポイントは、途中で売却してしまう事です。

8/31に行使価格28500円のコールに20万円で5口(100万円)を上手く投資出来たとしても、9/14までには何度も売却の誘惑が待ち構えています。

7月中頃から8/30までの高値28279円は大きな節目ですが、翌日の9/1には抜いています。このタイミングで決済していたら100万円が200万円~300万円位にはなっています。

そこで決済し「よっしゃー!」とガッツポーズをしていたら・・・。「100万円を1日で200万円とか300万円にした男(女)」の武勇伝は手に入りますが、その後はありません。翌々日の9/3、更にそこから2倍3倍になるのを指を咥えて見ている事になります。プットでも買っていようものなら元の木阿弥です。

その後も同様の決済の誘惑が何度も来ます。日足チャートでは一本調子でも、5分足チャートなどでは揉み合っています。過剰なオプションを抱えて小一時間も揉み合われたら、いつ心が折れてもおかしくありません。どこかで決済してしまったら、その後再び乗り直して9/14を迎える事は難しいと思えます。

その後の下げ相場にも、更にその後の相場にも同じ事が言えます。

日経平均は9/22に29573円まで下げ、すぐに9/27にかけて高値30414円まで戻しています。

その後、再び10/6にかけて安値27293円まで下げた後、もう一山10/20高値29489円、10/25安値28472円を付けています。

購入するタイミングと同様、決済のタイミングも難しく、決済のタイミングがずれると次の購入のタイミングも見失います。

3つ目の簡単ではないポイントは、全額再投資はあり得ないという事です。

次に、初動を上手く乗りきれて、9/14に1085万円になったケースを考えます。

オプション取引は投資金額を全額失うリスクのある取引です。

100万円が1085万円になったら300万円でも400万円でも手元に残したいと思うのが人情です。人によっては600万円~700万円位手元に残したいと思うもかも知れません。

385万円手元に残すと投資額は700万円です。タイミングを間違えて失敗する事を考慮し、チャンスが2回欲しい等と考えたら、投資額は更に半分の350万円になります。かなり攻めている投資家でも、この辺りが妥当な所かと思います。

9/14の高値30795円の日にプットを購入出来ても、日経平均は9/22に29573円まで下げ、すぐに9/27にかけて高値30414円まで戻しています。それを見てしまったら、その後、再び下げて安値27293円を付ける10/6まで持ちきれるとは思えません。

ただ、100万円を4億円は難しいと思いますが、値動きの大きな相場でしたので、頑張って少しずつでも乗れていれば、オプション取引ならば100万円を1000万円~3000万円位にする事は出来たかも知れません。

日経225オプション取引はSBI証券で口座開設出来ます。(広告)

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(参考) 8/20~10/25 オプション取引で100万円が4億円になるシミュレーション

4回の売買で100万円が4億3213万6800円になるシミュレーションです。利益は、雑所得を引いた3億4434万8209円になります。(詳しい説明は前ページで)

日付(日柄) 日経平均 オプション
コール・プット(行使価格) 買建て売落ち(期日.残存日数) 単価(×1000) 数量 金額 損益
8/20(参考) 安26954 コール 建て
8/31(11) 安27602 コール(28500) 建て(10/8.38) 200 5 100万円
寄27690
9/14(14) 高30795 コール(28500) 落ち(24) 2170 5 1085万円 985万円
引30670 プット(29625) 建て(10/8.24) 240 45 1080万円 (計)1085万円
10/6(22) 安27528 プット(29625) 落ち(2) 2097 45 9436万5000円 8356万5000円
引27528 コール(28500) 建て(11/12.37) 370 255 9435万円 (計)9441万5000円
10/20(14) 高29489 コール(28500) 落ち(23) 1151.8 255 2億9370万9000円 1億9935万9000円
寄29385 プット(28375) 建て(11/12.23) 230 1277 2億9371万円 (計)2億9377万4000円
10/25(5) 安28472 プット 落ち(18) 338.4 1277 4億3213万6800円 1億3842万6800円
寄28527 (計)4億3220万0800円

次回は、10/25~12/20のシミュレーションです。

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OP(3)日経225オプション10/25~12/20のシミュレーション

前々回は、8/31~10/25の日経225オプションの売買で100万円が4億円になったシミュレーションをしました。今回は、同様に10/25~12/20に6回の売買で100万円が1億1398万7800円になったシミュレーションです。

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OP(1)衝撃!日経225オプションの驚愕の値動き

株価指数オプション取引は、証券取引の中でも屈指のハイリスク ハイリターン商品です。日経平均が乱高下した8月末から2ヶ月、日経225オプションを上手く売買したらわずか4回の売買で100万円が4億円になりました。

 

 

 

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