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投資環境(1)基軸通貨 それは最強国家の特権

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基軸通貨とは 基軸通貨を使うメリット

基軸通貨=きじくつうか  と読みます。基軸通貨とは、数ある通貨の中でも最も信頼され、通貨と通貨の決済などにも使われる通貨です。通貨の基軸となると通貨と言うことですね。現在の基軸通貨は米ドルです。

味噌が余っていてテレビが欲しい時には、通常、味噌とテレビを交換しません。味噌を売ってお金(通貨)にし、お金でテレビを買います。味噌 ⇄ テレビではなく、味噌 ⇄ お金 ⇄ テレビという事です。お金(通貨)を使うことで取引きレートが分かりやすくスムーズになります。この取引きは、お金(日本では円)に信頼感と流動性がないと成立しません。日本という国が信用でき、お金が別の物と交換できなければ、大事な味噌やテレビを、1万円札と言う紙切れと交換するのはためらうでしょう。

世界では別々の通貨圏で様々な取引きがされています。この場合、物に対して通貨が使われるように、通貨に対して基軸通貨が使われます。

例えば、日本(円)とオーストラリア(豪ドル)で取引きをする場合、実は円 ⇄ 豪ドル の直接の取引量は非常に少なく、円 ⇄ 米ドル(基軸通貨) ⇄ 豪ドル とした方が、流動性が高く安定した取引きが出来ます。FXをやっている人なら馴染み深いクロス取引きというやつです。FXなどで表示されている円 ⇄ 豪ドル のレートは、実は円 ⇄ 米ドル ⇄ 豪ドル のレートです。この取引きも基軸通貨に信頼感と流動性が高くないと成立しません。

基軸通貨方式のメリットは他にもあり、基軸通貨が無ければ、例えば10ヵ国のお客様と取引きする人は、相手がみんな「円でいいよ」と言ってくれれば良いのですが、そうでなければ最大10ヵ国の通貨を用意しなければならなくなってしまいます。しかし、基軸通貨があることで、ほとんどの場合は基軸通貨(米ドル)だけ用意すれば良いことになります。

 

基軸通貨の発行国に求められる信頼感とは何でしょうか。

第一には、他国に侵略されない軍事力です。どんなに人格的に信頼出来る国でも、他国に侵略されるようでは、常に通貨の暴落のリスクを考えなければならなくなります。また、軍事力の強い他国が「自分の国の通貨を通して取引きしろ(基軸通貨にしろ)」と言ってきた時も、それをはね除ける軍事力が必要です。

第二には、強い経済力が必要です。軍事力が国を守る力なのに対して、経済力は国の富の力、国の価値です。大量に発行された紙幣の価値を裏付ける経済力が必要です。

第三には、人格的に信頼出来る事が必要です。金融政策など、政策がコロコロ変わり、約束事が簡単に反故にされる国の通貨では信用出来ません。しかしこれは、強大な軍事力と経済力でゴリ押しされれば、そこまで重要視されないかも知れません。

基軸通貨発行国のメリットは凄すぎます

普通の通貨は自国内でのみ需要があります。例えば、日本円はほぼ日本国内でのみ、そのまま買い物に使えます。他国では、特別なお店を除いて、現地通貨か米ドルに交換してからでないと買い物に使えません。通貨は、この需要を考慮して発行していかないと、インフレをコントロール出来なくなり、国の経済を破壊しかねません。

そして基軸通貨は、自国の関係しない他国同士の取引きにも、通貨としての需要があります。つまり、発行出来る量が桁違いに多くなるという事です。

これが基軸通貨発行国にしかない、莫大なメリットのその1です。通貨を発行し過ぎて起こるインフレは、通常その通貨を使っている国で起こるため、基軸通貨(米ドル)に関しては、紙幣と言う紙切れを発行し、最初にお金として使うのは米国、インフレ対策は米ドルを使用している世界中の国でしなければならない事になります。米国が常に消費大国でいられるのも、このアドバンテージのお陰かと思います。

また、視点を変えてみると、このアドバンテージが、如何に恐ろしい事かわかります。日本円を発行する権利を、他国が握っている事を想像してみて下さい。或いは、株式会社を経営していて、自社株を発行する権利を他者に握られている事を想像してみて下さい。その気になれば、自国の利益をすべて吸い上げられてしまいそうな恐怖を感じませんか。基軸通貨発行国は、基軸通貨を使用している国に対して、その使用量に応じてこの権利を持っている事になります。

その2です。米国以外の、海外取引きする企業は、国際決済通貨である米ドルを準備しておかなければなりません。また、取引きや決算の度に、為替レートによって利益が変わってきます。株式をやる方はよくご存知かと思いますが、日本企業は、決算の度に為替によって利益が大きく左右されます。黒字が大赤字になったりもします。あの、日本企業には当たり前のリスクやコストが、米国企業にはないんです!どのくらい業績が安定するか、想像出来ると思います。これが基軸通貨発行国の莫大なメリットその2です。

紙幣はなぜ好きなだけ発行できない? 硬貨・紙幣・国債の関係

日本円を例にお話します。

硬貨は日本国政府が発行します。日本国政府の発行という事は、日本国の発行という事です。そのため、硬貨には「日本国」と彫られています。日本国の発行なので、そのまま日本国の信用力が裏付けされています。

対して、紙幣は日本銀行が発行します。紙幣には「日本銀行券」と印刷されています。「銀行券」てなんでしょう? 金本位制度の時代は、銀行に預けてある金貨との交換券でした。金貨の預かり証と言ったらわかりやすいでしょうか。交換する金貨が、銀行券(紙幣)の価値の裏付けという事になります。「日本銀行券」は日本の金庫に預けてある金貨との交換券ということになります。

その後、時代は金本位制度から管理通貨制度へと移行します。しかし、管理通貨制度になっても「日本銀行券」は交換券である事に変わりはありません。「日本銀行券」に価値を持たせるためには、何らかの交換する資産が必要です。管理通貨制度では、国債が金貨に替わる資産になります。つまり、紙幣を発行するには、国債の裏付けが必要という事になります。

通貨発行益(シニョリッジ)について、他で納得できなかった人のために

通貨発行益(シニョリッジ)について、「色々調べてみたけれども、どうもよくわからない」「ごまかされている気がする」という方に。もしかしたら、納得できるかも知れない説明をしておきます。

シニョリッジについて検索している人は、基軸通貨とかインフレについて調べる過程で検索しているのではないかなと思います。

シニョリッジの説明では「紙幣は発行すれば全部利益になるという説明は間違いですよ」という事が強調されていると思います。利益ではなく借入れになるので、その通りではあるのですが、そこにあまりこだわってしまうと、全体が見えなくなってしまうと思います。基軸通貨やインフレの説明において、重要なのは利益であれ借金であれ、通貨発行国は、発行したそのお金で買い物が出来るという事です。利益ではなくて借金ですと言われて、「どうも違いがよく分からない」と思ってしまうのは、近年の国家の借金は、返す気があるのかないのかわからないお金だからです。返す気のない借金は、利益と区別する理由がないですものね♪

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