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OP(6)株価指数オプション取引の仕組みと期日での決済

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株価指数オプション取引は、証券取引の中でも屈指のハイリスク ハイリターン商品になります。

前回の内容と重複する所もありますが、株価指数オプションの仕組みを少し詳しく説明します。前回はある程度主観を交えた内容ですが、今回は、なるべく客観的に、余計な事も含めて説明していこうと思います。

株価指数オプションとはどういう商品?

株価指数オプションとは金融派生商品の一種で、対象の指数を決まった日(期日)に決まった価格(権利行使価格)で買い付ける、或いは、売り付ける権利です。

買い付ける権利をコール、売り付ける権利をプットと言います。

FXをやっている方でしたら、オプションと言うとFXのバイナリーオプションを思い浮かべる方もいるかも知れませんが、株価指数オプションの方がバニラオプションと言って基本的なオプションになります。

バイナリーオプションはエキゾチックオプションの一種で、特殊なオプションです。証券会社の仕組み債などで「オプションを使って条件を出しています」等というのもエキゾチックオプションです。

ここからのお話は、すべてバニラオプションのお話です。

オプションには、ヨーロピアンタイプとアメリカンタイプがあります。ヨーロピアンタイプは期日にのみ権利行使出来るオプションで、アメリカンタイプは期間中何時でも権利行使出来るオプションです。

株価指数オプションはヨーロピアンタイプのオプションです。権利行使は期日にしか出来ません。しかし、期日までは取引所で途中売買が出来ます。

取引き時間は夜間から始まって、夜間16:30~翌06:00、日中08:45~15:15で1日です。チャートなどを見ると日中付けた覚えのない高値や安値があるのはそのためです。私は、最終売買日に日中が終わって夜間があると思っていたら、無くて狼狽えた覚えがあります。

期間中に利益を確定したい場合は、決済してしまう方法の他に、先物との裁定取引(アビトラ)を使う方法があります。アビトラは個人にはあまり関係ない話ですが、「オプションを生成している業者はどうしているんだろう」と疑問に思った時には思い出して下さい。

株価指数オプションを期日まで持った場合の決済

期日まで持った場合、決済金額は必ず本質的価値のみになります。

損益は(決済金額-買付け金額)です。

決済する株価はSQの寄付きの株価です。

日経225オプションなどの指数オプションは、決済日まで持つと自動的に差金決済されます。決済金額が0円以下の場合は権利放棄となり、買付金額が損金となります。

利益は1枚で日経平均が1円違うと1000円、100円違うと10万円、1000円違うと100万円も違います。

(株式の個別銘柄のオプションなどは、権利行使をしないと自動で決済されないので注意が必要です。権利行使しないと権利放棄となり、利益があっても失われます。)

日経225オプションの銘柄とは

以下の条件でオプションの銘柄が決まります。

①原資産(対象株価指数 )②権利(コールorプット) ③限月  ④行使価格(権利行使価格)です。

①から順に説明していきます。

①原資産が日経平均かTOPIXか選べます。

日経平均やTOPIXなど対象の株価指数の事を原資産と言います。

但し、TOPIXオプションを扱っている証券会社はあまりないため、日経平均型を中心に説明していきます。日経平均型オプションの事を日経225オプションと言います。

日経225オプション1枚の権利は(行使価格×1000)です。行使価格が28000円でしたら日経平均2800万円分の権利があります。

TOPIX型のオプションは1枚で(行使価格×10000)の権利があります。行使価格が2000円でしたらTOPIX2000万円分の権利があります。

コール(買う権利)かプット(売る権利)を選べます。

コールオプションは、原資産を行使価格で買う権利です。限月によって決済日が異なります。同様に、プットオプションは原資産を行使価格で売る権利です。

この「買う権利(コール)」や「売る権利(プット)」をオプション価格で買建てたり売建てたりするのがオプション取引です。

限月(期日)を選べます。

期日は翌月、翌々月など1ヶ月毎で数カ月先までありますが、取引のほとんどは、直近の二限月に集中しています。それぞれ第二週の金曜日の前営業日が最終売買日で、その翌日が決済日(SQ)です。(祝日とかが絡んでいなければ木曜日最終売買日、金曜日決済日(SQ)と言う事です。)

決済する株価はSQの寄付きの株価です。

但し、第二週を含めた直近の5週間は週単位で期日のオプションが用意され、毎週金曜日の前営業日が最終売買日で、その翌日が決済日(SQ)です。

行使価格(権利行使価格)を選べます。

オプションの権利を行使して原資産と交換するレートです。但し、日経225は指数なので決済日に差金決済する事になります。

行使価格は、日経225は125円毎の刻みになっています。(例 28000円 28125円 28250円 28375円 28500円等)

コールオプションは、日経平均が行使価格を超えて期日を迎えれば、「(日経平均-行使価格)×1000」の価値があります。

プットオプションは、日経平均が行使価格を下回って期日を迎えれば、「(行使価格-日経平均)×1000」の価値があります。

価値がある場合、式からわかる通り、日経平均が1円違うと決済価格は1000円違います。100円違うと10万円、1000円違うと100万円も違います。これは、どの行使価格も共通です。

ここからオプションの買付け価格を引いた金額が利益になります。

仮に、行使価格28000円のコールオプションを30万円で買建て、決済日の日経平均が29000円だったとすると、「(29000円-28000円)×1000」で決済価格は100万円、買付け価格30万円を引いた70万円が利益になります。

日経平均が行使価格の28000円以下で期日を迎えると、オプションの価値はなくなりますがマイナスにはなりません。0円になるだけです。買付け価格の30万円が損金になります。

期日まで持った場合の決済価格は、本質的価値だけで計算出来ますが、途中売買は、時間的価値も関係してきます。

次回は、途中売買と時間的価値のお話です。途中売買する時のオプションの価値について、インザマネーの状態とアウトオブザマネーの状態に分けて説明します。

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OP(7)日経225オプションの価値と値動きの目安

途中売買する時のオプションの価値について、インザマネーの状態とアウトオブザマネーの状態に分けて説明します。オプションの買建てのメリットは、損失を限定しつつ値上がりを享受出来る事、デメリットはオプション料が掛かる事と期限がある事です。

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OP(5)株価指数オプション取引の概要と魅力とリスク

株価指数オプション取引は、証券取引の中でも屈指のハイリスク ハイリターン商品になります。日経平均型とTOPIX型がありますが、TOPIX型のオプションを取り扱っている証券会社がほとんどないため、日経平均型のオプションを例に説明していきます。

 

 

 

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