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株式(40)知っているだけで役に立つ売買のコツ(2)

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株式の売買をする時のちょっとしたコツや注意点で、知っている人は知っているけれども、知らない人も多いように思えるお話(2)です。そして、知らないとちょっと不利なお話しです。

今回は、投資期間のお話と、してはいけない指値のお話、迷って時間を掛けてはいけないお話です。

 

何を以って 中長期保有は安全などと言うのだろう?

あまり頻繁に取引きはしたくないので半年~1年位保有したいとか、投資を楽しみたいので毎日何かしら売買をしたいなど好みがあると思います。

短期売買は、比較的小さな値動きを取りに行くため、毎日事細かに材料をチェックし初動に乗る努力が必要です。そして、未練を断ち切って決済する決断力も大きめに必要です。

中長期売買は、短期売買ほど細かな材料をチェックしなくても良いというメリットがあります。中長期線に影響を与えそうな大きな材料を中心に見ておけば良いからです。小さな材料は株価の動きを見て、「おや、何かあったかな。」でも間に合ったりします。まあ、ちゃんと見るに越した事はないんですけども、人によってはあまり肩肘張りすぎると疲れて嫌になってしまう人もいるかと思います。

しかし、中長期売買の方が短期売買よりもリスクが減るとか、初心者向きと考えているのでしたら少し違います。

何事も期間が長くなればなるほど、何かが起こる可能性は高まるため、振れ幅という意味でのリスクは増します。株式だけリスクが減るなどという事はありません。

対面取引全盛の時代ならば、売買手数料が片道1%前後掛かっていましたので、中長期保有で売買回数を減らすとコストとしてのリスクを減らす事が出来ました。しかしネット証券の売買手数料率は、株式の値動きの大きさからすると、ほぼないに等しいので、この理屈は当てはまりません。

では、株式は何を以って中長期保有の方が安全と言えるのでしょうか。総じて考えた場合、企業は誕生し、成長し、一握りの企業が上場出来る規模まで辿り着きます。誕生から上場まで企業を成長させる事が出来た経営陣やシステムのある企業、優秀な経営陣やシステムがついている企業が上場企業という事になります。

あなたの周りにも、「この人は何をやっても上手くやる」「失敗する姿は想像出来ない」というような人がいるのではないでしょうか。そういう人達やそれ以上の人達がスクラムを組んで経営しているのが上場企業です。

単年で見たら良い年も悪い年もあると思いますが、中長期で慣らしたら、優秀な経営陣が経営している会社は、順調に黒字を積み上げて成長していくと考えられるという意味で、中長期保有の方が安全と言えると思います。

しかし、あくまでも総じてであって、個別には、中長期保有は安全などとは言えない上場企業もたくさんあります。経営自体が危うくなる会社もあれば、既存株主をないがしろにするような増資やMBOをする会社もあります。

「初心者は短期売買をしてはダメ。中長期保有をしましょう。」などとよく聞きますが、むしろ短期売買の方が、より短い期間の見通しを深く考える事になるので、焦点が絞れて考え易く、実力を付けていくのには適しているように思います。何より「買う」「売る」「損切りする」などの決断をする経験を大量に積むことが出来ます。

短期売買でしっかり、投資の感覚を掴んだ上で、時間的に余裕のある中長期保有をメインにするのは良いと思います。

なお、長い期間保有している事でリスクが減る訳ではありませんが、長い期間保有出来る資金で取引きをする事はリスク軽減につながります。

 

指値をしてはいけない株価

逆張りをする時や決済をする時など、ずっと見ていて現在値で指値出来れば良いのですが、そうもいかない時もあります。そういう時は指値をして待つ事になりますが、注意点があります。それは、節目になる株価やそれを越えた(買いの場合は下回る)株価で指値をしてはいけないという事です。

買う時に株価が下がって来て2000円丁度とか、前回安値の2130円とか、大勢が注目している株価は、大勢がその近辺の株価で指値をします。節目より低い株価の買い指値が約定する時は、その岩盤のような買い指値を売り注文が押しきった時です。買方にしたら敗色濃厚な時にだけ自分の買い注文が約定する事になります。

同様に決済をする時も、値上がりして来て株価が3000円近辺になってきた時に、3000円丁度とか、前回高値の2960円などで指値をしてはいけません。「いつも自分の注文が売れた途端に大幅に上がっていく。」などという人は、岩盤のような売り注文の上に指値をしているケースが多々あります。岩盤のような売り注文を買方が押しきり青天井になった時にだけ約定する指値です。

では、その高値を越えて来た所で買建てるのはというと、それは状況によります。節目を抜けるという事は、上に突き抜ける可能性も高まりましたが、何事もなく収束してしまう可能性も非常に高いので、「わからなくなった。」というのが正解です。タイミングとしては、売建ての損切りの買い決済をするタイミングです(買建ての利食いの売り決済をするタイミングは岩盤の手前です。)。しかし、株価は非常に動きやすいタイミングなので、注視していて、「節目を抜けた」以外の材料で、買いか売りか判断が着いたなら、建てるのも良いと思います。私はこのタイミング大好きです。

ここでの「指値をして待つ事」についてのお話は、相場を見ている時間がなく、そこそこ板の厚い銘柄についてのお話です。

相場を見ている時間があるのならば、ここというタイミングで出来るだけ即約定出来そうな現値(時価)で指値する事をお勧めします。現値から離れた株価の指値は、その株価に到達する予想を当て、更に、約定した後、反転するだろうという予想も当たらないと後悔するからです。

逆に、出来高の薄い銘柄は、余裕があるのなら指値をして待ちましょう。板を見て注文を出してくる投資家もいるからです。

 

時間との勝負  考えろ!迷うな! です。

テクニカル分析に興味がある人もいれば、日々のニュース(ファンダメンタルズ)から先読みしたい人もいると思います。更には、バーゲンハンティングが好みの人もいれば、好材料に素直に付くのが好みの人もいます。

いづれの場合も、投資は時間との勝負が重要になります。

今ある材料を見比べて、考える時間は大切ですが、迷っている時間は勝率を下げる大きな要因です。

情報をもとに、過去の相場や他銘柄と比べたり計算している時間は考えている時間ですが、その直後や合間合間に入る「どうしよう」と思っている時間は考えている時間ではなく迷っている時間です。

株価が3000円の時に4000円になると分析して、仮にその分析結果が正しかった時には、先に行動した人から順に安い売り指値を拾っていくという事です。

例えば、現在3000円の株価の銘柄にニュースが出て、4000円が妥当だと考えられれば、その材料の信憑性によって徐々に、或いは一気に浸透して株価は4000円まで上がって行きます。真偽を見極める事は大切ですが、迷っている間に先に決断した人がどんどん安い売り注文をさらっていってしまうのです。

投資で勝つコツは、突き詰めて言ってしまえば、皆がする事を皆より先にする事です。テクニカル分析もファンダメンタルズ分析も、皆がこれからどうするのか探るためにやっています。考えろ!迷うな!です。

 

 

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レバレッジ型やインバース型のETFは、「常に当日を基準」に、日経平均の倍や日経平均の逆の値動きをさせるために、日々数量を増減させて調整しています。そのため、揉み合った時と暴騰、暴落した時では商品の性格が変わります。

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これから投資を始める人も、もう始めている人も、投資対象は何か? 売買のタイミングは? 投資期間は? どういう投資方法で?などのイメージを持っていると思います。今回は、投資対象のお話とタイミングのお話です。

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