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株式(34)信用取引のコストを1つづつ解説

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信用取引をしない方が良い理由 様々なコスト

レバレッジを掛ける事も空売りをする事も、リスクは有りますがメリットもあります。

しかし、信用取引のコストにはメリットはありません。

そして、意外に高いので注意して下さい。

信用取引のコストには、売買手数料、金利、貸株料、品貸料(逆日歩)、管理費、配当落ち調整金、名義書換料(権利処理手数料)などがあります。

そして、売買手数料以外のコストは、現物株取引では掛かりません。

売買手数料   例えば100万円に対して0円~数百円程度

証券会社、約定金額などによってまちまち。ネット証券は、おおよその目安として、約定代金100万円に対して、0円~数百円程度。株式のコストの内、1番注目されているコストなのですが、0円という証券会社が目立ちます。一体どこで稼いでいるんでしょうね。

買方金利と売方金利   建て金額に対して年率2%~4%程度

ここで稼いでいます。

信用取引の買建ては、「証券会社に担保を預けてお金を借り、借りたお金で株式を買っている」ので金利を払います。これを信用買方金利といいます。計算方法が両端入れなので日計りでも発生します。

制度信用と一般信用では、金利が違い、多くの場合は、一般信用の方が高めに設定されています。

証券会社によって違いますが、年率で建て金額の概ね2%前後~4%弱に設定されています。

売建ては、「株券を借りて売建て、売却代金は証券会社に預けてある」ので金利は貰えます。これを信用売方金利といいます。本来は貰えるのですが、今は、金利0%なので貰えません。

貸株料の事を売方金利と表現しているサイトも多いので、文脈で判断して下さい。正しくは別物です。

貸株料(かしかぶりょう)   建て金額に対して年率1%~3%程度

信用取引の売建ては、「証券会社に株券を借りて売建てる」ため株券の借り賃を払います。これを貸株料といいます。計算方法が両端入れなので日計りでも発生します。

証券会社によって違いますが、年率で建て金額の概ね1%前後~3%弱に設定されています。貸株料も、一般信用取引の方が高めに設定されています。

品貸料(逆日歩)(制度信用取引のみ)   日々1株に数銭~数円

品貸料(逆日歩)は、信用取引の特に注意しなければいけないリスクの1つです。

一般信用取引には発生しないため、逆日歩が発生しそうな銘柄を売建てる時は、利用出来るのならば一般信用取引を利用した方が良いと思います。ただし、そもそも品貸料が発生するという事は、「空売りは控えろ」という証券金融会社からのお達しでもあります。

信用取引の売建ては、株券を借りて売建てるのですが、売建ての株数が増え過ぎると、証券金融会社は、生命保険会社などから株券を有料(日歩)で借りてきて調達します。買建てている株も調達先に当たるため、品貸料は売建てている人が払い、買建てている人は貰えます。

品貸料は株数に応じて、日割りで発生します。通常は、1株5銭とか10銭などですが、極端に足りなくなると1円とか5円などの金額になる事もあります。

10,000株売建てていて、逆日歩が1円発生すると、株価に関係なく逆日歩10,000円の支払いです。10日発生したら合計100,000円の支払いです。

逆日歩の怖い所は、逆日歩が発生する前に売建てていたとしても、その後売建てが増え逆日歩が発生すると、後から売建てた人と同様に取られます。

例えば、倒産しそうな銘柄は、往々にして株価は安いものです。たかをくくって空売りすると、逆日歩が発生し、積もり積もった逆日歩が売建てた株価を上回ってしまい、倒産しても損する事もあります。

管理費   建玉毎に1カ月毎110円~1100円

建て日から1カ月経過する毎に発生します。建玉毎に110円~最大1100円程度掛かります。証券会社によって若干違いがあります。

配当落ち調整金   配当金相当額を買建ては貰い売建ては支払う

権利付き最終日から権利(配当)落ち日に架けて建てていると、配当金相当額を買建ては受け取り、売建ては支払います。

配当金は、権利確定日から何週間か遅れて支払われます。信用取引の配当落ち調整金も同様です。請求が来るのが建玉を決済した後という事もあるので、売建ての場合は、注意が必要です。

制度信用取引は、買建ても売建ても税引き後の配当額なのですが、一般信用取引は、買建ては税引き後、売建ては税引き前の額になります。

名義書換料(権利処理手数料)   建玉毎に1売買単位当り55円程度

権利付き最終日から権利(配当)落ち日に架けて買建てていると、建玉毎に1売買単位当り55円程度掛かります。証券会社によって若干違いがあります。

まとめ   特に気になるのは買方金利と貸株料

信用買方金利と貸株料は、建てている間ずっと掛かります。それも益金とかにではなく、建て金額に対してです。

一年間、平均1000万円建てていて、金利3%とすると30万円掛かります。儲かっていても損していても、関係なしに掛かります。買建て600万円、売建て400万円のような建て方をして、長めの期間保有していると特に身に染みます。この低金利の時代になかなかの暴利だと思います。建てっぱなしには、くれぐれも注意しましょう。

このコストを考えると、信用取引は長くても数週間位迄の波動を小まめに狙うもので、長期投資には向かないのだなと、つくづく感じてしまいます。

 

次回は、制度信用取引と一般信用取引の違いと、信用取引の各種規制についてです。

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株式(35)制度信用と一般信用の主な違いと各種規制

制度信用の足りない部分を一般信用で埋めるという感じです。売建てで逆日歩が発生しそうな銘柄以外は制度信用取引で良いと思います。売買規制は、証券取引所、証券金融会社、各証券会社などが、相場の過熱と貸株不足を抑えるために掛けます。

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株式(33)信用取引の魅力はレバレッジと売建てと税金対策

信用取引の魅力は、何と言ってもレバレッジと売建てです。これらはリスクとしても1番に取り上げられる事です。レバレッジを掛ける事のリスク対策は、現物取引で儲かっている事であり、売建てのリスク対策は、見通しを外した時に、躊躇なく損切り出来る事です。

 

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