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株式(12)新規公開株(IPO)に強い証券会社 弱い人

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前回は、新規公開株(IPO)取得の手順でした。

新規公開株(IPO)投資 最初のでっかいハードル

このブログや他のサイトなどの、新規公開株(IPO)に関する記事を見て来られた方は、投資環境の良い時のIPOが、如何にローリスク ハイリターンな取引きか解っていただけたと思います。

しかし、こんなに条件の良い取引きでも、まったく儲けられない人達が大勢います。仮に、IPOが「魅力的だ」と感じた人達が100人いたとして、90人以上はまったく儲けられないのではないかと思います。

多分、儲けられる10人弱の人達はピンときていると思います。そうです。儲けられない90人の人達は、ここで満足してしまって行動にまでは移さないのです。

ここから、口座設定→入金→IPOブックビルディング参加と進んで、初めてスタートラインに着けるのですが、スタートラインに僅かに一歩届かない人達が大勢います。

IPOは複数の証券会社で申込んだ方が有利だと分かっていても、たぶん、これから5社10社の口座開設をする人は稀だと思います。スタートラインに進む10人の人達も、口座開設は1社ないし、多くても3社くらいの人が多いかと思います。

かくいう私も、決して行動力旺盛な方ではありません。しかし、「チャンスに行動しなければダメ!絶対ダメ!動かなきゃ!」という失敗を何度もしているので、こういう状況になった時、辛うじて1社から3社の口座開設はすると思います。当たり前のように、5社10社口座開設出来てしまう行動力の持ち主が、本当に羨ましいです。

旺盛な行動力の持ち主に言わせると「いや、難しいことないでしょ」とか「やった方がいいのに何でやらないの?」とか言います。その通りなんですよ。なんですけど、頑張らないと出来ないんです。特に年齢を重ねると、疑い深くなるのか、期待しなくなるのか、、、やらないんです。

これは投資に限らず、仕事でも趣味でも私生活でも、同じ事が言えると思います。今までスタートラインに着けなかった人達は、今回は、今、スタートラインに進みましょう。たぶん明日にまわしたら、行動しない90人から抜け出せないかと思います。

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SBI証券[旧イー・トレード証券]

 新規公開株(IPO)に強い証券会社

まず、最重要なのは主幹事数の多い証券会社です。次に、重複しますが、幹事数の多い証券会社です。

その他に口座を持ちたい証券会社は、資金繰りの観点で、抽選申込み時に入金のいらない証券会社と、資金に余裕のある人向けに、申込み株数や預け入れている資産が多いと抽選が有利になる証券会社です。

主幹事の件数が多い証券会社は、実力がありますので必然的に幹事に入る件数も多くなります。しかし、主幹事と幹事は別物だと思って下さい。持っている裁量は社長と平社員くらい違います。株数でも、主幹事が公募株の50%~90%を扱うのに対して、副幹事や平幹事は1%から良くても10%くらいです。1%と90%では、量で考えたら主幹事1件と平幹事90件でやっと釣り合うということです。

一方で、抽選で配分される比率も大切です。公募株を100%抽選で配分する証券会社もあれば、対面型の証券会社のように、裁量90%抽選10%などの配分比率の証券会社もあります。

主幹事/幹事(2019全86社中) 事前入金不要 裁量 抽選・他
野村證券(ネット&コール) 17/35 90%(対面) 10%(ネット&コール)
大和証券(ダイレクト) 21/43 75%~85%(対面) 10%~15%・5%~10%(ダイレクト)
SMBC日興証券(ダイレクト) 20/71 85%(対面) 10%・5%(ダイレクト)
みずほ証券(ダイレクト) 13/54 90%(対面) 10%(ダイレクト)
SBI証券 6/82 約50%(対面) (100-対面の)70%・30%
楽天証券 0/26 0 100%
松井証券 0/21 30% 70%
岡三オンライン証券 0/37 0 10%・90%
マネックス証券 0/45 0 100%

証券会社の良し悪しにはいろいろな側面がありますが、今回は、対象商品をIPOに絞った話です。

野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券の4社は、口座が対面型口座とネット口座に別れます。どちらか片方しか口座開設はできません。裁量で配分される分は全て対面型口座に、抽選で配分される分は全てネット口座にまわります。主幹事数が圧倒的に多いのもこの4社です。

この4社のネット口座は、割り当てられる新規公開株は会社に来る株数全体の10%程度ですが、幹事、特に主幹事の件数が圧倒的に多いので、10%でもネット証券の幹事数の多い会社の100%と比べても遜色ありません。4社(ネット口座)ともIPOをやるなら外しがたいと思います。野村ネット&コールは、ブックビルディング参加時に入金が必要ないという点もプラスポイントです。

SBI証券は幹事数では、対面型証券をも凌ぐ件数です。さらに主幹事もあります。表で見てもネット証券の中で1社だけ飛び抜けていますね。

SBI証券はネット証券ですが、機関投資家などの一部重要な顧客に関しては、対面型の口座もあるようです。抽選に割り当てられる株数は、会社全体の50%程度のようです。元証券会社の社員としては、「幹事を取るためにいろいろ頑張ってくれているんだな」と素直に思えます。

抽選方法は、70%が資金比例抽選ですので、申込み株数を増やす事によって当選機会を増やす事が出来ます。30%は、IPOチャレンジポイントという独自の制度で、すごく大雑把な説明をすると、「IPOに落選するとポイントがもらえ、次回以降そのポイントを使って当選確率を上げられる」というものです。ここもIPOを取るためには外しがたい証券会社ですね。

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楽天証券はネット証券大手ですが、IPOの幹事数に関しては少なめです。しかし、ここ、3年ほど幹事数が急激に増えて来ています。ネット証券大手という実力から考えると、1~3年後には、はずせない証券会社になっている気がします。ここも、SBI証券同様、申込み株数によって当選確率が変わります。

IPOのために何社も口座設定をしている人は当然押さえていると思いますが、IPOに強い証券会社2~3社だけ登録したという人はここからは抽選申込みをしていない可能性が高いので、狙い目でもあるかと思います。行動力のある人にはわからないと思いますが、普通の人は、一度頑張って口座を3社ほど設定したら落ち着いてしまいます。楽天証券が今後伸びてきても、すぐさま口座設定に動くことはないかと思います。狙い目です。

松井証券は、ブックビルディング参加時に入金のいらない証券会社です。資金力に限りのある人は、この一点だけでも口座を開設する価値はあると思います。個人投資家向けの70%はすべて平等抽選です。裁量の30%は機関投資家などに配られます。

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岡三オンライン証券も、ブックビルディング参加時に入金のいらない証券会社です。ただ、幹事の37社というのが、岡三オンライン証券ではなく親会社(別会社)の岡三証券になります。岡三証券から委託という形で公募株を回してもらうので、配分株数は非常に厳しいものになると思われます。

マネックス証券は、100%平等抽選になり、しかも、5,000株も100株も同じ1票の扱いで資金量に左右されない抽選になります。幹事数も多く、こちらも外しがたい証券会社だと思います。

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以上、幹事数の多い主要なネット証券でした。

裁量配分の証券会社 気になりますよね

野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券の対面取引き4社の裁量配分て気になりますよね。各社90%前後を裁量配分に回し、4社合わせて主幹事数で全86社中の61社もあります。つまり、全公募株の半分以上がここに集中していると言う事です。それが裁量で配分されるのですから、ここで欲しい公募株を勝ち取れるのならば、それが一番です。

公募株を誰に何株配分するかの権限を裁量権といいます。裁量配分は裁量権を持っている者が、顧客の預かり資産、取引き履歴、今後優良なお客様になってもらえそうかなど総合的に判断して、配分する顧客を決める方式です。

新規公開が決まると、各証券会社に配分できる公募株の株数が決まります。それを、各支店に割り振り、支店で配分できる株数が決まります。各支店に配られた公募株の裁量権は支店長にあります。各支店に配られた公募株は、直接顧客に配分される場合もありますが、各課または各営業担当者に割り振られます。課に配られた場合は各課長に、営業担当者に配られた場合は各営業担当者に裁量権があります。証券会社によって違いはあるとは思いますが、だいたいこんな感じかと思います。

対面取引きの、公募株がもらえるかどうかは裁量権者次第と思われがちですが、少し違います。いくら裁量権があると言っても、好きな顧客に配って良いわけではありません。あくまでも、顧客の預かり資産、取引き履歴、今後優良なお客様になってもらえそうかなどの総合的な判断のもと、配分する顧客を決めるのです。つまり、ライバルは支店の、あるいは自分の営業担当者の、「他の顧客!」という事です。特に新規公開株を欲しがっている顧客に、どんな人がいるのかがかなり重要になります。勿論、聞いても教えてもらえませんよ。

ライバルは大手証券になればなるほど強力になります。私の感覚ですが、預けられる資金が数千万円~1億円以上あって、IPO以外の取引きも多く、営業担当者や課長、支店長などとうまく人間関係が築ける人は、IPO取得に関しては、対面型証券が良いと思います。中小型証券になると2千万~3千万以上あればという気はしますが、何とも言えません。因みに「交渉うまいな、こいつ(すみませんすみません失礼しました)」と思うお客様は、中小企業の社長さんとか大会社の役員さんが多かった気がします。

次回も、新規公開株(IPO)初値→セカンダリー 初値 値付けのルールです。

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株式(13)新規公開株(IPO)初値→セカンダリー 初値 値付けのルール

新規公開株(IPO)の初値が付くまでの注文は、通常とは違うルールになります。初値が付くまで、1日の値上がりの上限は、初日は公募価格、2日目以降は前日の気配値の2.3倍です。仮条件と公募価格、初値の関係についても触れています。

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株式(11)新規公開株(IPO)ブックビル→公募申込み

新規公開株(IPO)取得の手順を説明しています。IPOは落選して当たり前な当選確率ですので、落選しても、いちいち落ち込んだり、不機嫌になってはダメですよ (^o^)

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