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株式(11)新規公開株(IPO)ブックビル→公募申込み

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前回は、新規公開株(IPO)の想定価格から仮条件まででした。今回は、ブックビルから公募申込みまでのお話です。

ブックビル→公募価格・新規公開株(IPO)取得の手順

仮条件が決まりましたら、ブックビルディングが始まります。いよいよ我々個人投資家の出番です。まず、ブックビルディングから新規公開株取得までの流れをまとめます。(証券口座は開設済みの前提です。)

  1. フィスコなどで、どんな新規公開株があるか探す。
  2. ブックビルディング(抽選)に申込む
  3. 公募価格決定→抽選
  4. 当選→購入申込み、または落選

1. まず、どんな新規公開株があるのか探します。

証券取引所や各証券会社のホームページで探しても良いですが、お勧めは投資情報会社のクラブフィスコのホームページです。ちょっと紛らわしいですが、フィスコのホームページではなくフィスコの運営しているCULB FISCO(クラブ フィスコ)という情報提供サイトです。左上のロゴがFISCOではなくCULB FISCOになっているサイトです。非会員、無料会員、有料会員とありますが、非会員でも相当の情報が参照出来ます。

トップページの「マーケット最新情報」というタグから「IPOスケジュール」というタグを開くと、1年位前から1、2ヵ月先までの新規公開銘柄の情報が見られます。仮条件から上場までの日程や、市場注目度まで出ているのでたいへん重宝します。ここで申込みたい新規公開銘柄を探します。因みに、有料会員になると、初値予想も見ることが出来ます。初値予想が見られれば、前ページの想定価格と仮条件の関係なども気にしなくて良いかと思います。

フィスコ有料会員     クラブフィスコIPOナビの無料会員には株式と為替の無料のメルマガが届きます。クラブフィスコIPOナビの有料会員にはリミテッドコースとスタンダードコースがあります。リミテッドコースは月額6,600円で、初値予想などが見られます。スタンダードコースは月額11,000円で、リミテッドコースに加えて初値(セカンダリー)での投資妙味なども見られます。

なお、フィスコ(銘柄コード3807)は東証に上場しており、株価は144円(令和2年2/7現在)です。そして、株主優待制度があり、6月末と12月末に100株以上保有でリミテッドコース1ヵ月分無料、2,500株以上保有で3ヵ月分無料、5,000株以上保有で6ヵ月分無料になります。144円の100株というと14,400円で6,600円×2回=13,200円分の株主優待が受けられます。1年半持ったら元が取れる計算になりますが、株価がずいぶん安いのは大幅な赤字が原因かと思います。

目論見書などのチェック→ブックビルディングの申込み

申込みたい銘柄が決まりましたら、若しくは申込みたい銘柄を決めるために、目論見書をチェックします。目論見書は投資判断に必要と思える情報を余すところなく載せてありますので、細かな字で100ページを超えてきます。それでも事業内容などは、写真や図解入りで解りやすく書かれています。しかし、「それが本当はどのくらいの成長性があるのか」「株価に換算していくらくらいが妥当か」など皆目検討が付きません。ちんぷんかんぷんです。正直、なかなか当選しないIPOに、目論見書を読み漁るモチベーションが保てないというのもあります。

資金に余裕があり、IPOを続けていくつもりなら、クラブフィスコなどの有料会員になって、初値予想や分かりやすいレポートを見るのが効率が良いように思えます。ちまたでは、月額6,600円や11,000円は高いなどのコメントも多く見られますが、IPOを定期的に申込んでいく人、セカンダリーも視野に入れている人には決して高くない情報料かと思います。

初値予想を利用しない場合は、自分でIPOのサイトを見たり、最低限の目論見書のチェックをする事になります。目論見書のチェックは、欲を言うときりがないのですが、想定価格、公募株式数、大株主、ロックアップなどの直接需給に関係する項目だけは、必須で見ておくべきかと思います。

 

2.ブックビルディング(抽選)に申込む

ブックビルディング(抽選)申込み期間中に、申込みたい銘柄を扱っている証券会社からブックビルディング(抽選)に申込みます。期間は概ね1週間くらいです。期間中であれば、早くても遅くても有利不利はありません。証券会社によって、公募株買付け代金の入金が必要なタイミングが違い、ブックビルディング申込みの前に必要な証券会社もあります。確認して下さい。

申込み株数と申込み価格を入力する欄があります。申込み株数によって、当選確率が変わる証券会社もあるので確認が必要です。

申込み価格は仮条件の上限と下限の間で申込みますが、通常は上限で申込みます。理由は「仮条件と公募価格の関係」で後述します。なお、「成行」などのチェック項目がある場合は、そこにチェックすれば上限での申込みになるので便利です。

証券会社によって細かなルールが違うため、申込む前に一度確認してみて下さい。

3.公募価格決定→抽選

通常、ブックビルディング期間終了の翌日に公募価格が決まります。さらにその後2~3日で抽選結果が発表になります。

ブックビルディングのIPO取得に影響する項目

申込んだ証券会社の数     IPOは同じ銘柄を複数の証券会社に申込めます。単純に申込む証券会社を増やせば当選確率は上がります。ただ、ごく稀に、複数社から申込めない銘柄もあります。その場合、通常大きく注意喚起されていると思いますので、気が付くと思います。

幹事比率     新規公開銘柄には、幹事証券会社が何社か付きますが、新規公開株の証券会社ごとの配分比率は、概ね幹事比率で決まります。目論見書やIPOの情報サイトなどにも記されていると思いますが、通常、主幹事証券の比率が50%以上あります。多い時は90%位あります。その他の幹事ですと、5%幹事とか1%幹事などが普通かと思います。幹事に入っていなくても、親会社が主幹事で、親会社から少しだけ回してもらえる証券会社もあります。1,00万株の公募で50万株配れる証券会社と1万株しか配れない証券会社では、当選確率も変わって来ますよね。

証券会社の按分     対面型の証券会社などに多いのですが、預け入れ資産、取引量や取引内容などを元に、担当者との交渉などが影響する事もあります。マイナスポイントでは、当選後のキャンセルなどは、次回以降の大きなマイナスになると思います。

取引き状況     預け入れ資産や取引量などの取引き状況が影響する証券会社もあります。

申込み株数     証券会社によっては申込み株数によって当選確率が変わってきます。

申込み価格     ブックビルディングは仮条件の上限と下限の間で申込みますが、公募(公開)価格が決まった時に、公募価格以上での申込みの中から抽選をします。仮条件上限で決まった場合、上限未満の申込みはその時点で抽選から外れます。落選ですらありません。

当選後の購入キャンセル     複数社に申込んでいたら全部当選してしまったとか、当選してから気が変わったなどで、キャンセルしたくなる時があります。当選後のキャンセルは証券会社によっては、ペナルティが科される場合があります。事前に確認しておきましょう。抽選申込み→当選!→購入申込み忘れ!! なども購入キャンセルになります。

4.当選→購入申込み、または落選

抽選結果を証券会社のサイトにログインして確認し、当選していたら、欲しい場合は、購入申込みをしなければなりません。期間は概ね4日位です。これを忘れると、せっかくの当選が無効になってしまうばかりか、証券会社によってはペナルティが科されます。絶対に忘れないようにしましょう。ただし、当選したら買付けを断れない証券会社では、自動的に買付けになるためこの作業は必要ありません。

IPOは落選して当たり前な当選確率ですので、落選しても、いちいち落ち込んだり、不機嫌になってはダメですよ (^o^)

次回は、新規公開株(IPO)に強い証券会社です。

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IPOは条件の良い取引きですが、まったく儲けられない人達が大勢います。必要なのは行動力です。ここから、口座設定→入金→IPOブックビルディングと進んで、初めてスタートラインです。今、スタートラインに進みましょう。明日にまわしたらダメです。

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株式(10)新規公開株(IPO)想定価格→仮条件決定の仕組み

IPOは、既存の株主や経営者は公募価格をなるべく高くしたいものです。一方で、良い評判を得て、後々の資金調達を円滑に進めるためには、公募価格をある程度抑える必要があります。その決まり方を知っているとIPOに申し込む時の参考になると思います。

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