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株式(22)株式公開買付け ディスカウントTOBとは?

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前回は、誰がなぜTOBを行うのかというお話でした。今回は、ディスカウントTOBと、昔のTOBのやりきれない気持ちになったお話です。

ディスカウントTOB  投資する銘柄の候補になります

普通のTOBは、時価よりも高い価格で行われますが、ディスカウントTOBは、特定の株主からだけ買取るために、時価よりも10%位安い価格で行われます。特定の株主からというのは、創業家からであったり、グループ企業の事業再編であったりします。

何も知らずにこの説明だけを聞いたら、たぶん私は、いや~な感じがします。感覚的に嫌な感じもしますし、理由を付ければ「その銘柄に詳しい者どうしで、その価格で取引きが成立するのは、その価格が適正だからだろ」って思ってしまいます。実際ディスカウントTOBが行われると、引っ張られる形で株価が下がる事がありますが、ディスカウントTOBに関しては、この「嫌な感じ」は間違った感覚かと思います。つまり、下がった所は買いのチャンスの場合があります。

TOBは、一般的なTOBもディスカウントTOBも、買付ける方は何らかのビジョンを持って行います。それはそうですよね。議決権を取って「上がるのを待つ」って作戦はないですものね。何らかのアクションを起こすつもりでしょう。例えば、新しい株主には新しい販売ルートがあるとか、新しいサプライヤーが紹介出来るとか、何か経営を良くするアイデアがあるとかです。

ディスカウントTOBは当然、友好的なTOBになりますので、解体して売ってしまうつもりもないでしょうし、一般株主から買い集めないのは上場廃止にするつもりもないと言うことです。

この状態で株価が下がっているのであれば、中長期的な投資妙味はあると思います。

 

TOBのやりきれない気持ちになった思い出

古き良き時代と敵対的買収のお話

TOBの敵対的買収は、悪い言い方をすれば「会社を乗っ取る」という事です。ルールに則った正当な方法なのですが、日本ではあまり良いイメージはありません。株主よりも社員を第一に考える経営が、長らく続いてきた影響かと思います。終身雇用など、社員を家族のように考える日本的経営は、長期で考えたら一番強い経営手法だと思いますが、2,000年のIT革命の相場以降はドライな欧米流が主流です。

2,000年のIT革命の相場は、ソフトバンクの孫社長、楽天の三木谷社長、ライブドアの堀江社長などが台頭してきた時代です。投資ファンドなどが話題になったのもこの時代です。

当時の日本企業は終身雇用が当たり前で、不景気になったら社員を解雇するなどという発想はほとんどありませんでした。また、敵対的な株主が何かを要求するなどと言うことも、通常はありませんでした。そのため良い会社ほど、内部留保といってすぐに現金化出来る資金を溜め込んでいたのです。不景気になっても社員や社員の家族を食わせていくためです。

これに目を付けたのが、欧米のハゲタカファンドや日本では村上ファンドなどの投資ファンドです。株主になり、余剰金や余剰資産を売却して配当金に回すように要求してきたのです。配当金を受け取る事は、資本主義的には正当な株主の権利なのですが、この時、政府はもう少し別な対応ができなかったのかなと今でも思ってしまいます。それまでの日本人は、1億総中流と自他共に認めていました。しかし、この頃を境に、派遣社員、低所得者層や貧困層と言われる人達が、かなりの勢いで増えてきているような気がします。

 

MBOのやりきれない気持ちになった思い出

私は、MBOにはあまり良い印象がありません。むかしの話ですが、こんなことがありました。新規に公開した銘柄で公開価格が1,500円位の株価だったと思います。特に悪いところのある銘柄ではなかったのですが、全体相場の悪化もありみるみる株価は下がっていき、2,3年後には100円位の株価になってしまいました。新規公開株にはよくある話です。しかし、全体相場が良くなればみるみる株価も戻っていく、それもまた、新規公開株の特徴です。しかし、この銘柄の経営陣は、全体相場が良くなりかけたタイミングでMBOをしたのです。理由は、「株主の影響を受けずに経営の意思決定を迅速にし、会社を良くするため」のような理由でした。時価100円位の株価に対して150円とかの買取価格です。出来高は公開当初あるだけで、その後は超閑散な銘柄でした。この銘柄の一般の株主は、ほぼ1,500円近辺で買っていると言うことです。皆、大損する株価で強制的に買取られて、上場廃止です。この銘柄は、その数年後1,000円位の株価で再上場を果たしています。上場したら株主の影響を受ける事は、1度目の上場前からわかっていたはずですし、再上場する意味もわかりません。経営陣は「してやったり」なのでしょうが、強制的にお金を騙し取られたという印象しか残りませんでした。ちょっと思い出してしまったので愚痴ってしまいました (-_-)

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次回は、外国株式 世界の株式市場の魅力と特徴です。

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株式(23)外国株式 世界の株式市場の魅力と特徴

日本は、国内の株式市場が非常に魅力的に整備されているため、それで事足りてしまっている所はありますが、海外に目を向けると、そこにも魅力的な市場がいくつもあります。いくつかの市場を簡単に紹介していきます。

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株式(21)株式公開買付け(TOB)とは?目的は議決権と経営権

株式公開買付け(TOB)の目的は主に経営権の取得です。TOBは多くの場合は嬉しいお話なのですが、その後の現経営陣の対応次第では、既存株主にとっては納得のいかない事になることも多くあります。

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