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投信(18)上場投信 不動産投信(REIT)の全体像と使い方

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上場投信のうち、不動産を証券化したものを不動産投信(REIT)と言います。

この記事では、不動産投信(REIT)の全体像と使い方の話をしています。

世界の不動産投信(REIT)の市場規模

日本及び世界のREIT市場は、すごい勢いで市場規模が拡大してきており、リーマンショック直後から現在まででも、次々と不動産が証券化され数倍~10倍弱に時価総額が膨らんできています。

そして、ここ1年余りは、コロナ過もあり各国のREITの時価総額は、数ヶ月違うと結構大きく違います。

物凄くざっくりとしたいい加減な数字ですが、「無いよりはイメージがつかめるのでは。」と言う程度の数字で、米国100兆円規模、日本15兆~20兆円、豪州、英国は10兆円前後、シンガポール5兆円強、その他は大きな国でも1兆円弱~2兆円位というイメージでしょうか。誤差が大き過ぎたらごめんなさい m(._.)m

 

J-REITの投資対象と市場規模、それぞれの特徴

不動産投信(REIT)のうち、日本のREITをJ-REITと言います。

J-REITは、2001年に日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人の2銘柄が上場してスタートしました。その当時の時価総額は約2500億円です。2020年11月現在、J-REITの時価総額は、約13.5兆円あります。

上場不動産投信の他にも、機関投資家などを相手にした、上場していない私募の不動産投信があります。私募の不動産投信も保有不動産額で約3.8兆円程の規模まで急拡大してきています。

時価総額と保有不動産額の差について

時価総額と保有不動産額。同じような額なのかなと思っていると、けっこう違います。

例えば、2020年11月現在のJ-REITの時価総額は13.5兆円、保有不動産額は20.1兆円になっています。

この差は、主に借入金と費用にあります。時価総額は(総口数×単価)で、単価には借入金もしっかり考慮されていますが、保有不動産額は、不動産を購入するための借入金は考慮されていないためです。

統計で、オフィスビルや商業施設など投資対象ごとの市場規模が、時価総額ではなく保有不動産額で記されているのは、J-REITには複合型があり、複合型のREITの時価総額は投資対象ごとに分解出来ないためと思われます。

 

J-REIT(全体) 時価総額 約13.5兆円 保有不動産額 約20.1兆円 銘柄数62 特化型33 複合型29
特徴   立地や施設の素晴らしさ等は重要です。しかし同様に、信用力の高いテナントと良い契約をしている事も重要です。
複合型 銘柄数29
特徴   オフィス、住宅、商業施設など幾つかの投資対象が合わさった複合施設に投資するREITや、地域で区切ったREITなど。
オフィスビル 保有不動産額 約8.1兆円 銘柄数 特化型8 複合型26
特徴   入居者は一般企業。大都市の中心部の物件が多い。景気動向により、入居するオフィスの地域や広さ、価格帯の需要が変化するため、需給や空室率なども変化しやすい。個人住宅よりも、景気動向の影響を受けやすい。
住宅・マンション 保有不動産額 約2.8兆円 銘柄数 特化型5 複合型20
特徴   入居者は個人。オフィスビルに比べると信用力は劣る。賃貸の契約は通常2年だが、景気の良し悪しでいちいち引越す人は少ないため、景気動向の影響はゆるやかになる。ただし、高級物件は別。
ホテル 保有不動産額 約1.6兆円 銘柄数 特化型5 複合型19
特徴   賃料が固定と変動制がある。災害や外国人観光客など、最も景気動向の影響を受けやすい。
物流(倉庫) 保有不動産額 約3.5兆円 銘柄数 特化型10 複合型8
特徴   入居者は販売業者など。契約が長期になりやすい。倉庫をイメージしてもらうと分りやすいが、オフィスや住宅に比べると、コストが安価で安定している。ネット通販の拠点など需要は拡大している。
商業施設 保有不動産額 約3.4兆円 銘柄数 特化型5 複合型21
特徴  入居者は小売業者など。物流程ではないが、契約が長期になりやすい。 都市型と郊外型で大きく違う。都市型ならば百貨店やブランドショップ、郊外型ならば大型ショッピングモールやスーパーマーケット、アウトレットなど。特に、核となるテナントの影響が非常に大きい。ネット通販の台頭とともに、明確なコンセプトが必要になってきた。
ヘルスケア 保有不動産額 約0.2兆円 銘柄数 特化型1 複合型6
特徴   高齢者向けの住宅などがメイン。高齢者は今後も増えていくため、介護業界は数少ない、長期的に顧客が増えていく業界だか、介護福祉士の低賃金、人材不足、社会保障(財源の)問題など大きな問題も抱えている。
その他 保有不動産額 約0.2兆円 銘柄数 特化型5 複合型9
特徴   カテゴリー分けが出来ず、他の投資対象に付随するもの。駐車場や大学のキャンパスなど。

 

J-REITが投資している物件

J-REITが投資している物件はどんなものがあるのでしょう。初めて見る人は、建物が立派すぎて、ちょっと現実感が湧かないかも知れません。

見たいJ-REITの銘柄の投資法人のHPを見ると、物件一覧とかポートフォリオ一覧などのページがあります。そこに物件の紹介が写真付きで載っています。

「こんな凄いビル?」と思えるビルがいくつも載っていますが、それが実際にそのREITが投資している物件です。そのREITを購入すると、その物件の値上がりやテナント収入などが、自分のものになるという事です。

また、地方に住んでいる人は、「REIT_物件_地名(例:長野)」などで検索してみて下さい。地元の「あの建物が?」という建物が、REITの投資対象になっている事もあります。

立地や施設の素晴らしさ等は重要な事ですが、それらはすべて良いテナントに入ってもらうためです。極端な話し、ド田舎のボロボロの建物でも、信用力の高いテナントが入って出ていかないのであれば、それは素晴らしい物件です。

REITの投資物件は、どんなテナントが入っていて、どんな契約になっているのかがかなり重要です。

 

地震などを考えて地域分散

不動産は、台風や地震などの影響をダイレクトに受けます。そのため、地域を分散する事も株式に比べて有効です。台風で看板や何かが壊れたり雨漏りしたり(ビルって雨漏りするんですよ(*_*))、地震ならばその後にも影響が残るかも知れません。

株式も天災の影響は受けますが、大企業であれば、工場やデータのバックアップなど地域を分けているケースが多いと思います。

また、海外REITを使えば、海外の不動産にも分散投資出来ます。海外REITに投資するメリットは、地域分散だけでなく、景気やインフレ率も日本と分散出来る事です。(ただし、海外REITは直接は買えないため、REITファンドやREIT ETFを利用する事になります。)

 

株式とREITの投資対象としての比較

J-REITの分配金は、賃料収入を主な収益源としています。賃料収入なので、毎月コロコロ金額が変わるわけではなく安定しています。更に、不動産価格や賃料収入は、物価と相関性が高いためインフレヘッジにもなります。

そして、投資法人は、収入の90%以上を投資家に還元する事で、法人税が免除されるため、殆どの投資法人はそうしています。

相場状況により変化はありますが、分配金利回りは、どの銘柄も概ね 3.5%~6% 前後あり、株式よりも高い利回りがあります。

株式に例えるなら、毎月の利益が非常に安定した非課税の企業が、その利益の90%以上を配当金として還元するようなものです。

また、J-REITは通常 年2回決算ですが、株式と違い3月/9月に集中している訳ではありません。1月/7月、2月/8月など、決算期が12カ月にいい具合にバラけているので、分散投資をする事で毎月分配金が出るようにする事も比較的に容易です。

J-REITは、インカムゲインをメインに狙うのに適しています。

他の証券投資で言えば、株主優待狙いや、好配当株式、外国債券などへの投資と、考え方は似ています。

しかし、値動きの要因は少し違うため、インカムゲイン狙いの分散投資先と考えて良いと思います。

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次回も、不動産投信(REIT)で、実物不動産と比べたメリット・デメリットを解説していきます。

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投信(19)不動産投信(REIT)と実物不動産の比較

実物不動産とREITを比べた時、REITには投資金額、流動性の高さ、そして実務面で大きなメリットがあり、実物不動産には利用価値、家族への生命保険代わりなどのメリットがあります。

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投信(17)上場投信  ETFは株式の入門商品・使い方のコツは信用取引

通常のETFには値動きの少なさ、レバレッジ型・インバース型のETFには、相場が上下する度に基準価額が毀損していくというデメリットがあります。信用取引を使う事でこれらのデメリットを解消する事が出来ます。

 

別ページに掲載している、上場投信 不動産投信(REIT)の簡単な紹介文も貼り付けておきます。

上場投信  不動産投信(REIT)

特徴

不動産投資法人が、ビルや商業施設などを数本から数十本をまとめて証券化し、その不動産価格の値動きや、家賃・テナント料などを投資家に還元するファンド。組み入れられている不動産の入れ替えや管理を行い、資産価値を高める。

上場している銘柄数は60銘柄程あり、地域やオフィス・商業地などとそれぞれに特徴がある。

ETF同様ザラ場中に株式のように売買出来る。

メリット

少額で、個人では買えないような不動産施設にも投資が出来る。しかも分散投資が出来る。不動産と違い流動性が高い。専門家に運用を任せられる。

デメリット

購入した不動産に、住むとかリフォーム、自分で家賃交渉などは出来ない。不動産投資法人の信用リスクに弱い。地震や空室率の増加など、一般的な不動産のリスクは不動産投信でもリスクになる。

選別のポイント

地域や、施設の種類(オフィスや商業施設など)によって値動きは大きく違う。また、同じようなテーマでも、組み入れられている不動産の利益率は不動産毎に結構違う。

 

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