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OP(1)衝撃!日経225オプションの驚愕の値動き

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株価指数オプション取引は、証券取引の中でも屈指のハイリスク ハイリターン商品になります。

今年の8月末から10月末にかけて日経平均は乱高下しました。その後も現在12月まで乱高下しています。

机上の空論ですが、その間、もし日経225オプションを非常に良いタイミングで売買していたらどのくらいの利益になるのでしょう。アバウトな数字ですが計算してみます。

比較のため日経平均のETF(1321)とレバレッジ2倍(1570)・Wインバース(1357)のETFの利益も検証してみます。

初めの投資額は100万円でスタートします。

8/20~10/25までの日経平均の値動きです。

8/20に安値を付けた後、突如上昇し始めたのが8/31の昼でした。そこから10/25までの高値日と安値日です。

日経平均
日付 日柄 始値 高値 安値 終値 値幅(高安) 値幅(始終)
8/20 27238 27316 26954 27013
8/31 11 27690 28158 27602 28089
9/14 14 30584 30795 30504 30670 +3193 +2980
10/6 22 28033 28209 27293 27528 -3502 -3142
10/20 14 29385 29489 29222 29255 +2196 +1857
10/25 5 28527 28668 28472 28600 -1017 -858
(合計)9908 (合計)8837

日経平均の値動きは8/20に安値26954円を付けましたが、本格的に上がり始めたのは8/31の昼休みからです。12:10頃から先物が買気配になり、中々抜けなかった27800円の壁をあっさり抜き、その日の内に28000円も抜けて終りました。その後はほぼ一本調子に30000円を抜き、9/14に30795円の高値を付けています。

その後は9/22に29573円まで下げ、すぐに9/27にかけて高値30414円まで戻しています。

その後、再び10/6にかけて安値27293円まで下げた後、もう一山10/20高値29489円、10/25安値28472円を付けています。今回の売買の値動きは高安の合計で9908円でした。

この間のオプション、ETF、レバレッジ・Wインバースの値動きを見ていきます。売買回数は4回です。

日経225オプションの価格の計算のルール

メモしておけば良かったのですが、期日を過ぎたオプション価格の資料がなかったため、ルールを決めて概算で計算しました。

  1. オプションは残存日数が、1カ月に近いものを選び、残存日数が多めの時(20日以上)で1000円のアウトオブザマネー、少なめの時(19日以下)で500円のアウトオブザマネーを選ぶ事とします。
  2. 基準となる株価はその日の始値と終値の都合の良い方です。始値か終値を基準として、そこから500円ないし1000円のアウトオブザマネーの行使価格のオプションを選びます。

オプション価格の本質的価値はそのまま計算出来ますが、問題は時間的価値です。

時間的価値はボラティリティの高さにもよりますが、残存日数30日位のアットザマネーで50~60万円位、500円離れていて30~40万円位、1000円離れていて15~30万円位のイメージです。インザマネーの場合は、それに本質的価値が加わり500円離れていて80~90万円位、1000円離れていて115~130万円位のイメージです。(私の主観です)

それが日割りで減っていき、期日には0円になります。

因みに8/31~12月まではボラティリティは高めでした。

そこで、

  1. アットザマネーの時間的価値を1日2万円として計算し、500円差の時間的価値を1日14千円、1000円差を1日1万円、1500円差を1日5千円で計算する事とします。
  2. アットザマネーから500円差までは100円毎に1200円、500円差から1000円差までは100円毎に800円、1000円差から1500円差までは100円毎に1000円、1500円差から1500円差までは100円毎に1000円づつ時間的価値を減らしていきます。2000円を超えた場合の時間的価値は0円とします。

表にするとこんな感じです。

行使価格 1日分の時間的価値の目安 例)残存日数30日
アットザマネー 20000円 20000×30=60万円
アットザマネー+100 20000-1200=18800円 18800×30=56万4000円
アットザマネー+500 14000円 14000×30=42万円
+600 14000-800=13200円 13200×30=39万6000円
アットザマネー+1000 10000円 10000×30=30万円
+1100 10000-1000=9000円 9000×30=270000円
アットザマネー+1500 5000円 5000×30=15万円
+1600~ 5000ー1000=4000円 4000×30=12万円
アットザマネー+2000 0円 0円

この計算でいくとアットザマネーの残存日数30日のオプションで2万円×30日で60万円、同様に500円差で42万円、1000円差で30万円、1500円差で15万円位のイメージになります。かなり実際のイメージに近いと思います。

但し、8/31の昼のオプション価格だけは10月限月28500円のオプションの単価が20万円弱だったのをハッキリ覚えているので、スタートはこの価格で始めます。

なお、オプションは特定口座ではないので、税金は最後に引けば良いため引かずに計算しています。

8/20~10/25までの日経225オプションの値動きと利益

まずは、表を御覧ください。わずか4回の売買で100万円が4億3213万6800円になっています。利益は、雑所得を引いた3億4434万8209円になります。計算式は表の後に記してあります。

日付(日柄) 日経平均 オプション
コール・プット(行使価格) 買建て売落ち(期日.残存日数) 単価(×1000) 数量 金額 損益
8/20(参考) 安26954 コール 建て
8/31(11) 安27602 コール(28500) 建て(10/8.38) 200 5 100万円
寄27690
9/14(14) 高30795 コール(28500) 落ち(24) 2170 5 1085万円 985万円
引30670 プット(29625) 建て(10/8.24) 240 45 1080万円 (計)1085万円
10/6(22) 安27528 プット(29625) 落ち(2) 2097 45 9436万5000円 8356万5000円
引27528 コール(28500) 建て(11/12.37) 370 255 9435万円 (計)9441万5000円
10/20(14) 高29489 コール(28500) 落ち(23) 1151.8 255 2億9370万9000円 1億9935万9000円
寄29385 プット(28375) 建て(11/12.23) 230 1277 2億9371万円 (計)2億9377万4000円
10/25(5) 安28472 プット 落ち(18) 338.4 1277 4億3213万6800円 1億3842万6800円
寄28527 (計)4億3220万0800円
計算式の解説です。

8/31コール建て計算式 ここだけは記憶で入れています。

9/14コール落ち計算式 30670-28500=2170(アットザマネーから2000円を超えているため時間的価値は0円で計算)。本質的価値2170×5×1000=1085万0000円。

9/14プット建て計算式 アットザマネーから1000円差なので時間的価値 1日10000万円×24日=240000。240000×45=1080万0000円。

10/6プット落ち計算式 29625-27528=2097(アットザマネーから2000円を超えているため時間的価値は0円で計算)。本質的価値2097×45×1000=9436万5000円。

10/6コール建て計算式 アットザマネーから1000円差なので時間的価値 1日10000万円×37日=370000。370000×255=9435万0000円。

10/20コール落ち計算式 29385-28500=885[本質的価値は885×1000=885000。時間的価値は800円差なので1日14000-800×3=11600。11600×23日=266800。合計(885000+266800)×255=2億9370万9000円]

10/20プット建て計算式 アットザマネーから1000円差なので時間的価値 1日10000万円×23日=230000。230000×1277=2億9371万0000円。

10/25プット落ち計算式 28375-28527=-152(本質的価値は0円。アットザマネー-100なので時間的価値は(20000-1200)×18=338400)。338400×1277=4億3213万6800円。

という事で、100万円が4億3213万6800円になりました。利益は、4億3213万6800円-100万円=4億3113万6800円から雑所得20.315%を引いた3億4434万8209円になります。

日経225オプション取引はSBI証券で口座開設できます。(広告)

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実際には、高値日と安値日をきっちり見極めるのは至難の技ですし、オプションというハイリスク商品を全額再投資などあり得ないと思います。次回は、もう少し心の葛藤を反映した場合はどうなるのかを検証してみます。

しかし、この後のETFとレバレッジ・Wインバースの検証を見てもらえば分かりますが、普通の投資では、高安をきっちりと見極め全額再投資出来てもこんな結果にはなりません。

8/20~10/25までのETFの検証です。

ETFは、

NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)

で検証します。

寄値と引値の都合の良い方の単価で信用取引の買建てと売建てをする計算をしています。

ETFの利益からは、特定口座の税金や信用金利などの概算費用として、一律22%引いて計算しました。

日付(日柄) 日経平均 ETF
売買 建て落ち 単価 数量 金額 損益(合計金額)
8/20(参考) 安26954 建て 引27700 36 99万7200円
8/31(11) 安27602 建て 寄28380 35 99万3300円
寄27690
9/14(14) 高30795 落ち 引31500 35 110万2500円 8万5176円
引30670 建て 引31500 34 107万1000円 (計)108万5176円
10/6(22) 安27528 落ち 引28400 34 96万5600円 8万2212円
引27528 建て 引28400 41 116万4400円 (計)116万7388円
10/20(14) 高29489 落ち 寄30350 41 124万4350円 6万2361円
寄29385 建て 寄30350 40 121万4000円 (計)122万9749円
10/25(5) 安28472 落ち 寄29380 40 117万5200円 3万0264円
寄28527 (計)126万0013円

100万円の投資で26万0013円の利益になりました。100万円を信用取引の担保にして取引すれば、目一杯でこの約3.3倍のレバレッジを掛けられます。3倍として78万0039円の利益です。この大相場を最高のタイミングで4回も売買してこの利益です。やはり日経平均ではなかなか儲からないですね。

8/20~10/25までのレバレッジ・Wインバースの検証です。

レバレッジETFは

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)で、

WインバースETFは

NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)

で検証します。

寄値と引値の都合の良い方の単価で信用取引の買建て・売落ちをする計算をしています。

ETFの利益からは、特定口座の税金や信用金利などの概算費用として、一律22%引いて計算しました。

日付(日柄) 日経平均 レバレッジ・ダブルインバース
売買 買建て売落ち 単価 数量 金額 損益(合計金額)
8/20(参考) 安26954 レバレッジ 買建て 引13820 72 99万5040円
8/31 安27602 レバレッジ 買建て 寄14480 69 99万9120円
寄27690
9/14(14) 高30795 レバレッジ 売落ち 引17760 69 122万5440円 17万6529円
引30670 Wインバース 買建て 引358 3286 117万6388円 (計)117万6529円
10/6(22) 安27528 Wインバース 売落ち 引437 3286 143万5982円 20万2483円
引27528 レバレッジ 買建て 引14440 95 137万1800円 (計)137万9012円
10/20(14) 高29489 レバレッジ 売落ち 寄16440 95 156万1800円 14万8200円
寄29385 Wインバース 買建て 寄381 4008 152万7048円 (計)152万7212円
10/25(5) 安28472 Wインバース 売落ち 寄405 4008 162万3240円 7万5029円
寄28527 (計)160万2241円

レバレッジ・Wインバースは100万円で60万2241円の利益になりました。こちらも100万円を信用取引の担保にして取引すれば、目一杯でこの約3.3倍のレバレッジを掛けられます。3倍として180万6723円の利益です。最高のタイミングとしても、日経平均でこの利益を得られるならば投資対象としては良さそうです。

日経平均の倍の値動きで利益がETFの倍より多いのは、複利によるものと思われます。率が上がるほど複利の効果は激増していきます。

今回、日経225オプション取引は、わずか4回の売買で100万円が4億円になりました。次回は、そう簡単に100万円が4億円にはならないというお話です。

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OP(2)日経225オプション 100万円が4億円にならない理由

前回は、日経225オプションのわずか4回の売買で、100万円が4億3213万6800円になるシミュレーションのお話をしました。今回は、心の葛藤を考慮すると「そう簡単ではないよね。」というお話です。

 

 

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