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株式(6)ファンダメンタルズ分析 成長株(グロース株)って何?

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前回は割安株(バリュー株)投資でした。今回は、成長株(グロース株)です。

成長株(グロース株)  テンバンガードはほぼここです

 

成長株(グロース株)は、その企業の予想出来る成長率と年数を企業収益などに掛け合わせてみると、数年後には割安になっているだろうという銘柄です。テンバンガード(10倍になる銘柄)や100倍になる銘柄がでるのは、ほぼこの成長株というカテゴリーになります。成長力が高い銘柄はそれだけで魅力があり、人目を惹きます。ゆえに株価位置としては、かなり上がった所を買うことになります。また、高成長銘柄を探すのは割安株を探すよりもはるかに難しいです。割安株は優良な銘柄の株価が下がってくれば割安株になりますが、成長株はそうはいきません。チャート上でも上に突き抜けている株を買うことになり、テクニカル分析も宛になりません。アナリストレポートなどで高成長銘柄はいくらでもありますが、レポートされている所までは株価に折り込まれていると考えると、さらなる成長が必要になります。難しいです。

 

テンバンガード銘柄を狙って安く買う方法 ←  何か怪しい文言ですね

 

「高成長銘柄をすごく安い段階で仕込めたと」いう、よく聞く成功事例があります。BtoC企業に特に多いのですが、運良く自分がその企業に触れている場合があります。例えば、「すごく魅力的なフィットネスクラブだと思っていたらライザップだった」「面白くてハマっていたパズドラはガンホーだった」などです。どちらも株価100倍を越えた銘柄です。顧客から見て、どちらも触れさえすれば、彰かに同業他社と違うと感じると思います。しかし、何時でも何処でも高成長株を気に掛けている人以外はスルーしてしまうと思います。話に聞けば「すごく運が良かったね」となりますが、決して運だけではありません。自分も運良く高成長銘柄を安く仕入れたいなら、自分の目と耳と足をアンテナに加えましょう。アナログなアンテナも大切です♪ 因みに、「自分が特別な立場でなければ知り得ない情報」はインサイダー情報になる可能性があるので、そこは気を付けて。

何を持って、企業の高成長が数年続くと判断するのか。

  • 経営者の資質
  • 画期的なビジネスモデル
  • 圧倒的な商品力
  • 他社のまねの出来ない特徴

などが、よく言われる成長銘柄の特徴です。ここは!と思う企業に出会えたら当てはまるかチェックしてみましょう。

成長株特有のリスク  既に上がっている株価位置で買う事です

成長株は割安株と違い底値で買えるなんて事はほとんどありません。成長性を理由に、株価位置としてはかなり上がった所を買うことになります。そこから当初見込まれていた成長性に疑問符が付くと、株価は通常よりも大きく下がる可能性が高いです。成長性の理由は何だったのかは、気にかけて置きましょう。

ファイナンス絡みのリスクは、成長株にもよくあります。第三者割当増資やストックオプションなどで、会社の指定した人や企業に破格の条件で株式を発行します。これをやられると業績は読み通り2倍になったけど、株数はいつの間にか4倍になっていた。結局1株の価値は半分に!なんて事もあります。新興企業の場合、ハコ化した企業の可能性もあります。その場合、成長性すら嘘だったなんて事になります。不公正ファイナンスについては、知っておいた方が良いと思います。

不公正ファイナンスについて証券取引等監視委員会のメールマガジンを貼って置きます。↓

証券取引等監視委員会ウェブサイト

ROEとROAの違いって何?借金をして得られる利益の取扱いです

面白いもので、割安度を計るPBRをPERで割ってやると、ROEという成長性を計る指標が出てきます。ROEは株主から集めたお金を効率的に利益に繋げられているかをみる指標です。式は、

ROE(自己資本利益率)=一株当りの利益(EPS)÷一株当りの純資産(BPS)=当期純利益÷自己資本=PBR÷PER

です。対して、ROAは分母に負債を含め、負債を含めた総資産を効率的に利益に繋げられているかという指標です。式は

ROA(総資産利益率)=当期純利益÷総資産(自己資本+負債)

です。違いを一言で言うと「借金をして得られる利益の取扱い」が違います。

ROEは分母に負債が無いだけなんだから「負債が関係ないのがROEでしょ」なんて思っているあなた! 大間違いです。むしろ式に負債が入って来ないので、借金を沢山して少しでも純利益を増やせばROEはどんどん改善します(但し「ROA>負債利子率」の時)。 では、ROAは負債は関係ないの?いや、どう見ても関係ありますよね。例を上げると、ROAは分母に負債が入っているため、自己資本を利益率5%で回し、負債も利益率5%で回したらどんなに負債を増やしていってもROAは5%のままです。対してROEは自己資本を利益率5%で回し、負債を利益率5%で回した場合、分母に負債がないので負債を増やせば増やすほどROEはどんどん改善していきます。つまり、借金をしてでも、利益を増やせばそれが効率悪くてもROEは改善します。

その他、それぞれの落とし穴として注意する点があります。設備投資などをして、まだそれが利益に貢献していないタイミングなどではROAは悪化します。ROAもROEも含み益などで資産が増加すると数値は悪化します。

こうして、文章にしていて思ったのですが、過去に私は、ROAやROEを理由に投資をした事がないかも知れません。ROEでスクリーニングした銘柄の中から選んだ事や、選んだ銘柄のROEを確認した事はありますが、ROEを一番の理由に投資する事は無いような気がします。

次回は、テクニカル分析です。

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株式(7)テクニカル分析は株価位置、ひいては投資家の行動を分析する

ともすれば、テクニカル分析は数字の羅列と計算ばかりに気をとられてしまいますが、「過去の投資家の行動から、未来の投資家の行動を予想する」というものです。人の心と行動を予想する事こそがテクニカル分析です。それを数学で絞り込もと言うものです。

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株式(5)ファンダメンタルズ分析 割安株(バリュー株)って何?

個別企業のファンダメンタルズ分析は、企業の財務状況や業績を元にして、株式の本質的価値を見いだそうとするものです。割安株投資は株価が現在の本質的価値と比べても割安な銘柄を選ぶため、全体的にローリスク・ミドルリターンが狙えます。

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