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投資をする際、投資家は色々な事をしなければなりません。金融商品や相場の勉強。投資対象の選択。分散投資と管理。やる事はいっぱいです。投資信託は、その手助けをしてくれる商品で、投資信託を使う事によって色々な手間を省く事が出来ます。
目次
積立て投資の目的と考え方
積立てに、「面倒」とか「まどろっこしい」という印象をお持ちの方も多いと思います。増やす事を目的に考えたら、確かにそんな印象です。
しかし、積立ての目的は、「増やす」というよりも「貯める」という事に重きがあります。これが積立ての特徴でもあります。何%の利益を得るかよりも、いくら貯めるかです。
その上で、少しでも有利に積立てたいという事で、積立て投資となる訳です。
まとまった資金を作るための、最も堅実でポピュラーな方法が積立てです。「退職金」なども積立てで作られています。
積立て以外でまとまった資金を手に入れる方法は、実は少数派です。「親から資産を受け継ぐ」「少額から始めた投資が数十倍になる」「収入が多くて自然と貯まる」「事業を成功させる」などで、よくある話ですが少数派です。
そのまとまった資金を増やすのが、投資とか資金運用です。
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積立て(1)公的年金と私的年金のややこしい名称の整理
公的年金の、国民年金(老齢基礎年金)と(老齢)厚生年金。確定給付年金の、国民年金基金と厚生年金基金と確定給付企業年金(DB)。確定拠出年金の、企業型確定拠出年金(DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の違いの説明をします。
積立てはどんな人に向く?コツは?
お金がない人にとっては、向くも向かないもありません。積立ては必要です。
そして、積立ての素晴らしい所は、お金が無くてもやる気さえあれば始められる所です。
老後の資金を積立てる場合を例に話します。
50年積立てて3000万円の資金を作る予定でも、公的年金以外の積立ては、全額1つの積立てで積立てる必要はありません。
月々2万円づつ10年掛けて240万円。満期になった240万円は運用にまわし、新たに月々2万円づつの積立てを続ける。
生活に余裕が出てきたので、別口で月々3万円づつ5年掛けて180万円。などのように、複数の積立てを使って貯めていきます。
だから、お金持ちは、満期がしょっちゅう来ます。
第1のコツは、満期が来たら足して運用する事。昔、お金持ちの奥さんに聞いた話ですが、貯まった240万円に10万円や60万円を足して、250万円とか300万円にして運用にまわすと、お金が貯まると言っていました。
お金があるからそう出来るという面もありますが、そうしてきたから貯まったという面が大きいと思いました。
なぜなら、お金に縁のない人たちは、高い確率で、40万円を使ってしまい、200万円にして運用にまわすからです。
しいて積立てに向く人というのならば、非常に有利なのが、老後までに時間のたっぷりある人、つまり若い人です。
仮に70才から使うお金を積立てるとして、20才の人は、70才までの50年掛けて積立てられますが、50才の人は、20年で積立てなければなりません。
20年で50年分貯めるためには、2.5倍の金額を掛ける必要があります。
若い時に始めておかないと、その時になって、後悔では済まない人も出てきます。
第2のコツは、やめない事。更に、老後の為の積立てを「自動車が欲しくなった」などの理由で、途中で使ってしまわない事です。結構難しいです。私は、両方やってしまいました (>_<)
どうしても何か買いたい欲求に駆られたならば、ある程度資産価値の下がらないものにするべきだったと、今は思います。
積立てが必要な人で、「月々の資金が足りている」「欲しい物は、大体我慢する事なく買えている」という人は、ほとんどいないと思います。
足りない資金の中で遣り繰りするのですから、積立ては、何かしら窮屈な想いや、無理をしてする事になります。
それでも、積立てる時に金額を迷う余裕があるのなら、大きい方の金額でする事が出来るというのが、3つ目のコツです。難しいです。
投資信託と積立ては相性抜群!
投資信託の少額から投資出来る事と、リバランスをしてくれる事は、積立てと抜群に相性の良い特徴です。
少額から投資出来る事によって、等金額投資がしやすく、ドルコスト平均法のメリットが得られます。
積立ては、投資として見た時には、長期投資になります。そして、積立て金は、年々貯まっていきます。
単一の銘柄を積立てで購入すると、ドルコスト平均法の効果により、安い時には多めに、高い時には少なめに購入してくれます。しかし、積立てられた資産についてはそのまま放置になります。
複数の銘柄をリバランスする投資信託で積立てると、新規資金では、安い時に多めに高い時に少なめに購入しつつ、積立てられた資産は、リバランスの効果で値上がりした銘柄は一部売却され、値下がりした銘柄は追加で購入されます。
複数の銘柄に投資した時に、上がりっぱなしの銘柄と下がりっぱなしの銘柄に、きれいに別れるのならば、リバランスはしない方が運用成績は良くなります。しかし、それぞれの銘柄が上がったり下がったりを繰り返すと、リバランスの効果が出てきます。
リバランスは、個人でやるのは大変な事ですが、投資信託では当たり前にやってくれます。投資信託が積立てと相性が良い大きな理由の1つです。
また、積立ては、自動的に時間的な分散投資になります。これは、リスク商品と相性の良い特徴です。自動的に時間分散されるのに、確定ものに投資するのは、勿体ない気さえします。
積立てに向く投資信託の選び方
「投資信託で積立てながら運用も。」という場合は、選ぶ投資信託は、ドルコスト平均法とリバランスの効果を最大限に発揮するものが良いと思います。
どちらも、大きめの振れ幅で、騰落を繰り返しながら上昇していく事で効果を発揮します。
なので、値動きの安定したものよりは、値動きの激しいものの方が良いと思います。
また、長期投資になるので、テクニカル分析よりも、ファンダメンタルズ分析に基づいて銘柄を選ぶ投資信託が良いと思います。
テクニカル分析は、相対的な株価や為替の位置を分析するのに対して、ファンダメンタルズ分析は、企業や国の本質的価値を分析するためです。
また、どうしても値動きの大きいものには抵抗があるという場合は、配当利回りや金利などが高く、インカムゲインの大きいものを投資対象とした投資信託も良いと思います。
いくつかの資産を組み合わせる投資信託を選ぶ時に、こんな相場感ならばこんな方法でという例を上げると、ほんの一例ですが、
- 米国株はずっと上がりっぱなしだろう
- その他の資産は抜きつ抜かれつだろう
と考えたなら、米国株は個別に積立てて全体のリバランスから外し、その他の資産は複合型でリバランスするように積立てたら良いと思います。
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併せて使いたい制度
個人型確定拠出年金(iDeCo)と積立てNISAがあります。どちらも、税制面で強力な優遇措置があります。ただ、積立てNISAは、通常のNISAとどちらか一方しか選べず、通常のNISAのメリットが非常に大きいため、どちらかと言えば通常のNISAを株式などで使う事をお勧めします。
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積立て(8)つみたてNISAよりもiDeCoが良いと思う
つみたてNISAもiDeCoも、税制面で大きな優遇のある制度です。余裕があるのならば両方やっておくのがベターです。どちらかというのならば、資産を非課税のまま切り替えられ、所得控除という優遇税制を持つiDeCoの方が良いように思います。
次回は、老後の資金の積立ての代表格 iDeCoをお勧めするページです。
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積立て(6)iDeCoをお勧めするページ
iDeCoは、何となくでは理解しずらい程度には複雑です。運用まで理解してから始めようとしたら、多分始められません。iDeCoは、始めた後の柔軟性が非常に高い商品です。まず始めてみましょう。最低金額は、5,000円から概ね1,000円単位です。
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積立て(4)確定拠出年金2つの加入資格・拠出金額
企業型確定拠出年金(DC)は、第2号被保険者のうち制度を導入している企業に勤めている会社員だけが加入出来ます。個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入資格者は、細かな要件はあるものの第1号~第3号被保険者すべてに跨がっています。
別ページに掲載している、積立て型投信の簡単な紹介文も貼り付けておきます。
積立て型投信
特徴
積立てというのは、時間による分散投資です。総額を一気に購入するわけではないので、必然的に長期投資になります。少額投資出来る投資信託と、相性の良い投資方法です。等金額投資のドルコスト平均法がお勧め。
メリット
個人型確定拠出年金(iDeCo)や積立てNISAと組み合わせると節税効果も見込める。
デメリット
ある程度貯まるまでは、値上がりしても恩恵が少ない。大きく値上がりしてしまった時の対応が難しい。
選別のポイント
元資産の値動きは、右肩上がりよりも、理想を言えば、長い長いボックス圏の末、最後に大きく値上がりしていく事が望ましい。ドルコスト平均法の効果を考えると、ボックス圏の期間の値動きは荒い方が良い。