投資信託

投信(8)アクティブ型投信は玉石混淆で 石多め!

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投資をする際、投資家は色々な事をしなければなりません。金融商品や相場の勉強。投資対象の選択。分散投資と管理。やる事はいっぱいです。投資信託は、その手助けをしてくれる商品で、投資信託を使う事によって色々な手間を省く事が出来ます。

アクティブ型投信の特徴

アクティブ型投信は、ファンドマネージャー(専門家)がチームを組んで、その知識と経験を活かして運用します。

しかし、「専門家が運用します」 と言われた時に、どのような結果を想像するでしょうか。

私がもし、まったくの投資初心者の頃ならば、相場に拘わらず年率30%~50%位のリターンを期待していたような気がします。もう少しモノがわかっていても、平均株価+20%~30%位は期待してしまいます。

しかし、実際のところアクティブ型投信は、参考指数やベンチマークとさして変わらない投信がほとんどです。ともすれば、ベンチマークに負けている投信が、当たり前のようにたくさん存在します。ベンチマークから10%も上方乖離していたら大成功です。

アクティブ型投信に投資するメリットは、むしろ、個人がするような思いがけない大失敗をしないという、守りの強さにあるのだと思います。この感覚を理解した上で投資しないと、不満しか残らない結果になると思います。

アクティブ型投信はどんな人に向く?

私がアクティブ型投信に抱くイメージは、攻撃力の弱い人と、チームやペアを組んでプレイをするイメージです。

チームメイトに助けられる事もありますし、足を引っ張られる事もあります。「助けられた時には  ありがたい  と思え、足を引っ張られてしまった時には  しょうがねぇな  と笑って済ませられる」そんな人はアクティブ型投信に向いている気がします。「プロなんだから助けて当然!何でそんなミスをする!」と思う人は、アクティブ型投信には、精神的に向いていない気がします。

アクティブ型投信の選び方

過去の運用成績とテーマ・コンセプト

良いアクティブ型投信を見分けるために、1番参考になるのは過去の運用成績です。ある相場で、運用成績の良かった投信と悪かった投信があったとします。同様の相場が繰り返された時には、やはり同様の成績になる事が多いのです。コンセプトや運用担当者の手腕が、成績に現れるのだと思います。

テーマやコンセプトも非常に参考になるのですが、テーマやコンセプトだけでは、たまに、凄く良さそうな紹介文で大した事がなかったり、何の良さも感じない紹介文で凄く良かったりという事もあります。

設定後、一相場越えている投信でしたら、過去の成績を参考に選ぶのが良いと思います。

新規設定や設定後まもない投信は、過去の成績がないため、テーマやコンセプトから選ぶ事になります。

過去の成績のない新規設定の投信を選ぶ理由は、既存の投信よりも今の相場に合ったテーマや、新しい投資手法に魅力を感じるからです。

どちらがいい?新発の投信と既発の投信

新発も既発も、どちらも一長一短がありますが、私ならば、金額を乗せて購入するのは過去の実績のある投資信託で、新しい投資信託は、過去にないテーマとか、よほど良いと思えるテーマやコンセプトの時に通常の金額までの投資かと思います。証券会社で大々的に宣伝してくるのは新しいものが多いので、乗せられる前によく考えましょう。

 

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その他の注意点 組み入れ銘柄数と運用残高

組み入れ銘柄数を増やし、分散投資をすればするほど、運用成績は平均値に近づいていきます。

私の主観ですが、組み入れ銘柄数の少ない投資信託は、低い評価を恐れず、良い運用成績をあげにいってくれていると思えます。ただ、人気があり運用残高が増えすぎると、銘柄数が増える事は仕方ないと思います。

また、投資信託は通常、新規設定の時に資金が大きく集まります。良い投資信託は、時間が経過してもその残高の減り方が少なかったり、或いは1度減っても再度増えて来ます。運用残高は、良い投資信託を見分けるバロメーターです。

アクティブ型投信の使い方

アクティブ型投信の使い方としては、まず、過去の成績やテーマ・コンセプトから、良いと思う投信を選びます。そして、指数やベンチマークの上がり下がりの予測は自分でして、プラスアルファを投信に期待するのが良いと思います。

テーマ・コンセプトの選び方は、株式(1)~株式(9) を参照して下さい。

損益は自分の判断結果、損を少なく利益を大きくするのはファンドマネージャーの仕事という考え方です。これにも応えられないようなら、もはやアクティブ型投信の存在価値が無いようにも思えます。

「専門家に任せる」という考え方からするとかなり控え目な期待値です。

1人では難しい「考え方の分散」

アクティブ型投信にはもう1つ、パッシブ型投信にはないメリットがあります。考え方の分散です。

投資をする時に、それが分散投資やヘッジ取引であっても、「下がると思っているものを買う」とか、「上がると思っているものを空売りする」とかは出来ないものです。意識しているといないとに拘わらず、何かしらの理由を拠り所に売買をします。1つの脳みそでは、どうしてもこの拠り所は同じものになりがちです。

例えば自分が、相場の好調の根底に円安があると思っている相場では、よほどはっきり意識していないと、ヘッジのための空売り銘柄を選ぶ時に、円安では上がらない銘柄ばかりを選んでしまいます。結果、もし相場が反落しても、ほとんどの銘柄が下がっている中、ヘッジのために空売りした銘柄だけ上がっている、或いはあまり下がらない なんて事になりがちです。

アクティブ型投信は、自分とは別の、ファンドマネージャーの脳みそも使う事になるので、自分だけでは難しい考え方の分散が出来ます。

 

次回は、絶対収益追求型投信です。

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投信(9)絶対収益追求型投信の仕組みと欠点

絶対収益追求型投信は、簡単に言うと、ファンドマネージャー(専門家)の選んだ銘柄群と、日経平均株価の差額を取るやり方です。相場観によって、上げ相場では買い、下げ相場では空売りというような明瞭な仕組みではありません。

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投信(7)パッシブ(インデックス)型投信は仕組みも成果も解りやすい

パッシブ型投信は、1番シンプルな投資信託です。「指数に連動して動く」以外の事は何もしません。パッシブ型投信の特徴は?どんな人に向く?使い方は?・・・

 

別ページに掲載している、アクティブ型投信の簡単な紹介文も貼り付けておきます。

アクティブ型投信

特徴

運用担当者(専門家)の投資判断で運用する。コンセプトや運用担当者の良し悪しで結果に差が出る。ベンチマークを決めて、それ以上の成果を目指すものと、「同様のコンセプトの指数が無い」などの理由でベンチマークの設定されていない投資信託も多くある。組み入れ銘柄数が多ければ多いほどベンチマークと差が出にくい。

メリット

いわゆる、「専門家が運用します」というメリットがある。投資信託の設計や運用担当者の能力が高ければ、常に平均以上の成果が期待出来る。

デメリット

信託報酬がパッシブ型投信よりもかなり高い。仮に信託報酬が2%として、10年間ベンチマーク通りの運用をされると、資産はベンチマークより20%も少なくなってしまう。

コンセプトが悪かったり、運用担当者が下手だと運用成果はずっと悪い。何の不思議もありません。

ベンチマークを意識し、対象資産の組み入れ比率を高位に保つ必要があると、ベンチマークが値下がりする相場では投資信託も値下がりする事は否めない。

選別のポイント

運用対象や運用方針などの投信の設計や、運用担当者の良し悪しが非常に大切。同様のテーマの投資信託と、同期間の運用結果を比べてから買付けても良い。私だけかも知れませんが、組み入れ銘柄数の少ない投資信託には、自信と気概を感じます。

 

ベンチマークの注意点

意外にも、アクティブ型投信はベンチマークの無いものの方が多いそうです。ただし、ベンチマークは無いが、「参考指数はある」とか、「社内ベンチマークがある」とか、殆どのものには、「ベンチマークのようなもの」があるようです。統一して欲しいですね。

注意して欲しい点は、日経平均とかTOPIXには、配当込みの指数と配当抜きの指数があります。通常は配当込みの指数をベンチマークにしているものなのですが、時々、わざわざ配当抜きの指数をベンチマークにしている投資信託があります。

わざわざ選ばないと、配当抜きの指数はベンチマークになりません。「どちらでも良いと思い深く考えませんでした」という事はないと思います。

日経平均やTOPIXの配当利回りは、年間2%強あります。投資信託の運用成績には、配当金はもちろん入っていますので、この分ごまかしている事になります。

もちろん合法ですが、一事が万事と言います。こんなごまかしをする投資信託は、他にも誤解を与えるチャンスがあれば、喜んで誤解を与えに来るのではないかと思えます。

私個人の意見としては、ベンチマークに配当抜きの指数を採用している投資信託は、それだけで購入の候補から外して良いと思います。運用報告がうかつに信じられない投資信託は、粉飾決算など決算発表の信じられない株式と一緒です。

 

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