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株式(1)大きな魅力と難しい銘柄選定 難易度はやり方次第

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株式の大きな魅力  値上がり・配当・株主優待

 

「株式の魅力」 色々なブログやサイトを見ても、「値上がり・配当・株主優待」、あっても「経営参加・経済の勉強」くらいしか語られていないと思います。銘柄を選ぶ段階で、膨大な知識が求められる事を考えると、割に合わないような気がします。

値上がり・配当・株主優待 そのどれもが凡庸ではないレベル

 

しかし、知っているでしょうか? 例えば「値上がり」。日本の株式市場は、整備された信頼できる市場の中では、稀に見る変動率(ボラティリティ)の高さだと思います。数ヶ月~1年の間にピークで5倍10倍になる銘柄が10銘柄、20銘柄は普通にあり、2倍3倍になる銘柄などは100を越えてきます。1つの長期上昇相場が終った時、数年で「300万円が3,000万円になりました」とか「1,000万円が5,000万円になりました」というような話がそれほど株式に詳しくない人達の中から、結構な頻度で聞かれます。運の要素も非常に強いと思いますが、日本の株式市場にはそういう素養があるというのは事実です。名実ともに世界の景気敏感株といえますね。非常に魅力的な市場です。

例えば「配当利回り」。上位ランキングを見ると上は10%近い銘柄から3%以上の銘柄だけでも700銘柄くらい並びます。700銘柄あれば十分に納得のいく銘柄が選べるでしょう。預貯金の金利がほぼ0%のこの時代に、株式の値下がりリスクを考慮しても、値上がり期待も含めれば、魅力が大きく勝ると思います。

例えば「株主優待」。一度もらってみて下さい。それ無しの生活が考えられなくなるような株主優待がいっぱいあります。外食産業やファーストフード、家電ショップ、衣料品店、ドラッグストア、果てはお米や宝くじ、自社製品まで、金額でいうと年間で2,000円から10,000円くらいを中心に幅広くあります。ちゃんと使えば、利回り換算で5%や10%のものも、少なくない程度にはあります。一度味を知ってしまったら、病み付きになる魅力があります。

「値上がり・配当・株主優待」。言葉にすると平凡な魅力ですが、そのどれもが凡庸ではないレベルの魅力で溢れています。ぜひ、株式投資を始めて、体験してみて下さい。

 

経営参加?・経済の勉強 若いうちにこそ大人の世界を

「経営参加」は置いといて・・・・・       まあ、気分だけでしたら株主総会にでも出席してみて下さい。期末に単位株を保有し、株主名簿に登録されていれば誰でも出席出来ます。お土産も貰えたりします。最近は個人株主の出席も増えて来たため、決算報告なども解りやすくなっています。

株主総会は通常は本社の総務部が取り仕切ります。大事なお客様のもてなし方、会場の選び方、プレゼンの仕方、言葉遣いなどなど、大企業の本社レベルの接客が体験出来ます。接客の仕事をしている人には貴重な体験になると思います。ただ、そのレベルを基準に、販売店や飲食店でクレームを付けるクレーマーになるのは止めましょうね。傍迷惑です。

「経済の勉強」。これはもう、言わずもがなですね。株式に関わる事は、ほぼ総てが政治、経済の勉強になります。我々が普段から耳にする企業は、ほとんどがBtoC企業(一般消費者相手の企業)です。普段耳にしないBtoB企業(企業相手の企業)やチェーン店の親会社などの中にも超優良企業は沢山あります。株式投資をしていると、そういう知識が当たり前のように常識として身に付きます。

「経営参加?・経済の勉強」。この辺りを考えると、若いうちにこそ株式の勉強をしておくべきかと考えてしまいます。社会人になって、20代でこういった知識や経験があれば物の考え方が変わり、その後の仕事への取り組み方も変わると思います。また、労働者としての視点だけでなく、資本家としての視点も持つことになります。まだ働いて稼いでいない学生が投資をするのもどうかと思いますが、もし自分が大学生の頃、この知識が少しでもあったなら、希望する企業はまったく違うものになっていたと思います。周りに頼れる大人がいれば、少しは良いのですけれど。

初心者でもできる銘柄選定  情報の取捨選択が大切です

株式投資に関連する情報は膨大になります。投資を始めるにあたって、この取捨選択の仕方を知らないと、株式投資は決して魅力的な投資とは思えないでしょう。銘柄を選ぶ段階から知識が求められるのですから、非常に面倒な投資と思えてしまいます。

株式の知識は、順序だてて効率良く身に付けていけば、1銘柄を買付けるまでにそれほど多くは求められません。しかし、考え方ややり方を間違えると、不安ばかりが先にたち、一向に買付けに到らないと思います。

考え方として大切な事は、「範囲を絞らず一番良い銘柄を探し出そう」などとは思わない事です。(令和元年12月末現在)上場株式の銘柄数は3706銘柄もあります。ちょっと無理です。「知っている銘柄の中から上がりそうな銘柄を選ぶ」からスタートで良いと思います。以下、簡単な銘柄の選び方を例として上げておきますので、まずは、この方法で浮かび上がってきた数銘柄の中で、一番良さげな銘柄で良いと思います。経験が増えるにしたがって自然と選択の幅は増えていきます。

  1. 全体相場のレポートなどを2つ3つ読む。
  2. 興味のある業界や好きな業界の業界レポートを読む(例 外食産業とか自動車部品などなど)。好きな銘柄から入っても良いです。
  3. その業界の銘柄一覧から好みの会社を2,3社選ぶ。
  4. 選んだ銘柄を四季報や会社情報、ネットのクチコミ情報などで見てみる。
  5. 良さげに見えたら、選んだ銘柄のアナリストレポートなどがあるならば読む(日付に注意)。無くても問題ない。
  6. 週足のチャートで値動き、株価位置を確認し、月足でより長めの期間を確認する。
  7. この先◯◯円まで上がりそうと思える目標株価◯◯円を考える。理由はこじつけでも良いです。ただ、その理由はメモして覚えておきましょう。次回の反省点になり、この繰り返しが実力を伸ばしていきます。今の株価で買ってその◯◯円の目標株価で十分に儲かると思ったら買いです。儲かると思えなかったら保留し「見ておく銘柄」に登録する。2.若しくは3.から繰り返し、他の銘柄を探す。

ここで大切な事は、勉強する範囲をなるべく横に拡げず、縦に掘り下げるように意識する事です。横とは色々な業界、銘柄に拡げていく事で、縦とは同じ業界、銘柄に詳しくなっていく事です。ある程度は横に拡げないと、どうしようもないのですが、なるべく同じ業種同じ銘柄を繰り返し売買することによって、得意な投資分野が確立していきます。「まず得意な投資分野を作る」という事は、投資の必勝法とも言えるレベルで大切な事です(必勝法はないのですけれど)。特に株式は銘柄数が非常に多いので、得意な銘柄を持つ効果は絶大です。得意なテクニカル分析を持つ事よりも優先されると思っています。

では、1.~7.を順番に説明していきます。

1.全体相場のレポートは各証券会社でいくつも出しています。毎日出しているレポートよりも、週毎や月毎、イベントがあった時の臨時レポートなどの方が、中期の見通しが書いてあって良いです。わからない用語や言回しなどが、いっぱい出てくると思いますが、概ね「上がりそうな事が書いてあるのか、下がりそうな事が書いてあるのか」が分かればOKです。どうしてもこの言葉がわからないと意味がわからないという言葉だけ検索してみましょう。もちろん、片っ端から調べていっても構いません。

2.業界レポートも各証券会社でほぼ出しています。産業レポート、業界動向などもこれに当たります。読み方の要領は全体相場のレポートと同じです。全体相場のレポートも業界レポートも人間が書いています。知識も感受性も、文章の上手い下手も人それぞれです。毎月もしくは毎週読み続ける事になると思いますので、なるべく文章が上手くて読みやすいレポートを見つけて登録しておきましょう。日が過ぎて当たっていたかどうかの検証もお忘れなく。

3.その業界の銘柄一覧は、業界レポートにだいたい載っています。同じ業界でも、作っている製品の種類、製品の良し悪し、個別会社の強みや弱みなどで絶好調から赤字まで差がある事もあります。また、ある材料(話題・テーマ)で相場が大きく上がる時、その材料に関わる銘柄が一斉に上がって来るのですが、すべて同時に上がって来るわけではありません。その材料の銘柄に与える影響の大きさや過去の実績から一番手の銘柄(多くの場合最初に買われ、一番中心になる銘柄)、二番手の銘柄、三番手の銘柄、その他の銘柄などに別れます。一番手の銘柄を買えると結果が大きく違って来ると思いますので、今は、こういう事実があるという事だけは覚えておいて下さい。すごく大切な事です。慣れて来たら対応しましょう。

4.読みやすいクチコミばかり見てしまうかも知れませんが、最初のうちはそれでも良いと思います。ただし、アナリストレポートが無かった時は四季報か会社情報も見て下さい。余裕が出てきたら四季報・会社情報の見方も少しずつ覚えましょう。暫くすると四季報・会社情報の方が読みやすくなってきます。見方はネットで検索しても良いですし、書籍の四季報・会社情報でしたら、巻頭に見方が説明されていたと思います。

5.読み方の要領は全体相場のレポートと同じです。アナリストレポートはアナリストが書いています(当たり前か)。アナリストはそれぞれ専門の業界や銘柄がありフォローしているため、証券会社によって、その業界のアナリストがいない場合、レポートがない場合もあります。無かったら他の証券会社を見て下さい。また、アナリストと一口に言っても、業界を代表するようなアナリストと新人アナリストでは、実力がだいぶ違うという事は覚えておいて下さい。まあ、どちらも我々よりは遥かに詳しいので、読みやすい文章が書けるアナリストを覚えておいたら良いかと思います。

ここまで(1.~5.)がファンダメンタルズ分析になります。一部レポートの中にはテクニカル分析も含まれているかも知れません。6.がテクニカル分析です。株式投資は、FXと違いファンダメンタルズ分析が大切になってくるため、難しく感じるかも知れません。

6.チャートの見方はいろいろありますが、まずは、移動平均線と移動平均線乖離率だけで良いと思います。視覚的に捉えやすいのでお勧めです。チャートの期間を変えると25日の移動平均では割高なのに150日の移動平均では割安ということも、ままあります。慣れたら他の見方も探してみて下さい。お気に入りのテクニカル分析が見つかるかも知れません。

7.「何となく安いから買い」はダメです。あくまでも目標株価を考えて、目標株価を基準に高いか安いか判断して下さい。この作業は非常に大切です。株式は売るために買うのですから、目標株価が適当で良いわけがありません。また、同じ条件で「空売りしたら」と想像してみましょう。割高で買えないと思っていたのに、空売りを想像したら「怖くて売れない」と思う事もよくあります。ボラティリティが高くて両方正解という事もありますが、ただ単に「自分が臆病になっているだけ」という事がよくあります。逆もしかりです。

どうしても値動きの大きい銘柄をやりたいという人は、業種から入るのではなく、前月の騰落率上位から銘柄を選ぶ方法もあります。こちらはハイリスクハイリターンになります。

この他にも好配当利回りや株主優待など選びたい基準が決まっているのならば、それで良いと思います。

大きな魅力と難しい銘柄選定。しかし、銘柄選定はやり方や考え方しだいでその難易度は大きく変わります。次回は、株式のリスクとリスクヘッジです。

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株式(2)3つのリスクと、コストを考えたリスクヘッジと分散投資

株式のリスクで代表的なものは3つあります。株価変動リスク・流動性リスク・信用リスクです。このうち、毎回向き合うリスクが株価変動リスクです。そして、残りの2つのリスクの殆どが株価変動リスクに集約されます。

 

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