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投信(19)不動産投信(REIT)と実物不動産の比較

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実物不動産と不動産投信(REIT)。同じく不動産を投資対象にしていますが、実物と証券では、まったく違う投資商品になります。

この記事では、不動産投信(REIT)と実物不動産を比べながら解説していきます。

 

実物不動産と比べた不動産投信(REIT)のメリット

主に、投資金額、流動性の高さ、そして実務面で大きなメリットがあります。

投資金額

REITは、数万円~数十万円と少額で投資出来るだけでなく、1つのREITでいくつもの不動産に分散投資されています。実物の不動産では、余程の富裕層でない限り、分散投資などは夢のまた夢ですね。

一生で購入する不動産は自宅だけという人も多いと思います。人生で1番高い買い物は自宅だったという人も。

実物の不動産は、住宅でも最低数百万円からします。オフィスビルや商業施設などと言ったら数億円~数千億円します。

REITならば、商業施設やオフィスビル、或いは海外不動産など、庶民には縁のない投資対象にも、少額で投資出来ます。

流動性の高さ

実物不動産は、換金したいからといって、すぐに換金出来るものではありません。短くても2~3カ月位は掛かりますし、無理に売ろうと思えば、妥当値よりも値を下げる必要も出てくるでしょう。

その点、REITは上場している証券なので、株式などと同様に流動性の高い市場で売却できます。

購入したい場合も同様で、実物不動産は、誰かが持っている不動産は、その人が手放さなければ買えません。

しかし、REITならば、証券としてその一部を保有出来ます。例えば六本木ヒルズを買いたいと思っても、六本木ヒルズのオーナーが売ってくれなければ買えません。しかし、六本木ヒルズがREITとして証券化されていたならば、市場を通して買いたい時に買うことが出来ます。

 

実務

不動産を購入する時、購入した後、様々な実務が発生します。不動産投信(REIT)ではそれらがほぼ丸ごとプロに任せられます。

 

手続きの煩雑さがない

不動産を買った時、色々な書類に判子を押しますよね。不動産を買った事がなくても想像は付くと思います。その手続きの煩雑さがREITにはありません。

 

信頼出来るプロが運用

REITを買う時に、オフィスビルや商業施設など、何を投資対象にしたREITかは自分で選びますが、物件選びや、入居率を上げたり家賃を上げたりするための運用、管理などは信頼出来るプロがやってくれます。

 

忘れてはいけないトラブル対応

建物が劣化する。地震、台風、火事などの天災で建物が壊れる。不動産市況の変動。入居率の悪化。金利変動。様々なリスクがあります。これらはREITにもあるリスクですが、REITでは、プロが対応してくれます。

また、不動産を巡るトラブルはよく聞く話ですが、これも信頼出来るプロがやってくれます。

 

実物不動産にはない不動産投信(REIT)のリスク

REITは、厳密には不動産にではなく、その不動産を管理する不動産投資法人に投資します。そのため、不動産投資法人が倒産するリスクがあります。ただ、一流企業にもある倒産リスクと、同程度かそれ以下と考えて良いと思います。

 

不動産投信(REIT)にはない実物不動産のメリット

主に、利用価値、家族への生命保険代わりなどのメリットがあります。そして、最大のメリットは、不動産投信(REIT)と比べても、高い利回りが狙える事です。

利用価値

実物不動産は、そこに住んだり人に貸したり、実物として利用できます。投資としてだけでなく利用する価値があります。

マイホームが、大きな買い物なのに皆さん決断出来るのは、利用するからという事も大きな理由です。

REITのデメリットとして、そういう事は出来ません。

そして、先ほどメリットとして、プロが運用や管理をしてくれる事を上げましたが、逆に自分で運用や管理をして付加価値を付けるなどの事は出来ません。

資金効率とローンの残金免除

ローンで買えるので、レバレッジを効かせる事が出来ます。

これにより、投資資金に対する資金効率を上げる事が出来、不動産投信(REIT)に比べても高い利回りが狙えます。

また、団体信用生命保険を利用すれば、もし、自分が死亡した時などは、ローンの残金が免除され、家族への生命保険代わりにもなります。

 

実物不動産の取引リスク

不動産取引は、不動産会社、或いは個人との相対取引です。相対取引は、ルールはありますが、基本的には売手と買手の二者で取引価格を決めます。自分で妥当な価格を調べて挑む必要があります。

REITなどの取引所取引は、市場を通して、不特定多数の市場参加者の価格に関する考えを知る事が出来ます。

たぶん、不動産投資に不慣れな人にとって、1番心配なリスクだと思いますが、「そもそも取引相手の不動産会社を信用していいの?」という問題です。

自分で不動産の目利きが出来るとか、知人に信頼出来る不動産のプロがいるなど、物件の善し悪しを見極められないと、詐欺、或いは法令には反しなくても、不利な条件での取引をさせられるリスクが多々あります。

その際、相手が上場企業でも100%信頼してはいけません。これは証券会社にも言える事ですが、相対取引とはそういうものです。詐欺は無いにしても、商談なのですから、不動産会社も法令の範囲内で、自分に有利になるように話を進めて当たり前なのです。

この意味では、REITにも同様のリスクはあります。

多くの不動産を保有している企業が、その一部を証券化してREITにします。証券化してREITにするというのは、平たく言うと売り払ってしまうという事です。どの物件を売り払いたいでしょうか。売り払いたいのは、あまり良くない物件です。

しかし、REITの場合は、上場する前や後に、不動産鑑定のプロの目に晒されます。そこで良いの悪いの評価されるため、実物不動産の取引よりはだいぶマシです。

 

実物不動産に向く人

細かな事は抜きに、まず、資金力と目利きする能力が必要です。

そして、自分で大家さんとして管理運営するのならば、借り主の要望やクレームに対応するマメさと、同時に、ドライにコストカットする冷徹さも必要です。

その他、商売全般に言える事だと思いますが、コミュニケーション能力とメンタルの強さです。クレーマーはとんでもない事を言って来ます。そして、そいつが自分の物件に住むかも知れないのです。

 

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次回は、不動産投信(REIT)投信です。不動産投信(REIT)と不動産投信(REIT)投信との違いを解説します。

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投信(20)不動産投信ファンドと不動産投信との違い

既に分散投資されているREITをさらに分散する。一見、運用コストがかかるだけのように思えますが、結構大きなメリットもあります。少額投資、毎月分配、海外REITに投資出来るなどのメリットです。

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上場投信のうち、不動産を証券化したものを不動産投信(REIT)と言います。この記事では、不動産投信(REIT)の全体像と使い方について話しています。

 

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