為替とFX

為替とFX(2)リスク(レバレッジとロスカット・詐欺)

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前回までは魅力的なFX業者のご案内を致しました。今回はリスクについて説明します。まずはレバレッジとロスカット、詐欺のリスクについて説明します。為替の説明においては、便宜上、円ドルを例に話していきます。

レバレッジとロスカット

FXは100万円預けたら、その100万円で通貨を買う訳ではありません。

その100万円を証拠金として通貨を売買します。なのでFXにはレバレッジというものがあります。

レバレッジ1倍ならば証拠金100万円で100万円分買えると言うことです。1ドル100円とすると為替が1円動いたら1万円の損益があるという事です。

これでは資金効率が悪いのでレバレッジを掛けます。レバレッジ5倍ならば500万円分買えます。レバレッジは最大25倍まで掛けられますので100万円で2500万円分まで買える事になります。1ドル100円なら25万ドルです。

結構なリスクですが、FXには、ロスカット(FX会社の定めたルールによって行う強制決済)というシステムがあります。

ロスカットは証拠金維持率が一定のラインを割り込むとすべての建て玉を決済します。「それ以上顧客の損金が増えないため」ということもありますが、損金が増えて行くのを放っておくと追加証拠金が必要になり、預かっている資金だけで足りなくなると入金が必要になります。FX会社も取立てとかしたくないですものね。

一定のラインというのはFX会社によって違いますが、証拠金維持率100%或は50%を割り込んだらというところが多いようです。

判定の時刻はリアルタイムで即実行されます。証拠金維持率の計算は

証拠金維持率=(証拠金-評価損)/必要証拠金×100

です。

この式に当て嵌めると、証拠金と必要証拠金が100万円ですので、2500万円建てた時点で証拠金維持率は100%ということになります。2円円高になると評価損が50万円で証拠金維持率は50%です。

レバレッジ25倍で目一杯建てると即ロスカット水準という事です。仮にロスカットがないとして、この2500万円分買ってしまった時の損金を試算してみます。1ドル100円とすると25万ドル買った事になります。1円円高になると25万円損金が出ます。4円円高で100万円が無くなります。10円円高では250万円もの損金が発生します。証拠金の100万円が無くなった上に150万円追加の資金が必要になります。

通常証拠金には余裕をもたせて取引きをするため、証拠金に500万円入れていた場合は100万円分使ったつもりでも、この損金が発生するという事です。そして、勘違いしないでいただきたいのは、「証拠金をギリギリにしてロスカットがあるから安心」ではなく、ロスカットはあくまでも緊急事態だと思って下さい。発動させてはダメです。証拠金に余裕をもたせて、建て玉管理をしっかりと行って下さい。

詐欺のリスク

これもFXのリスクにあげておきます。「FX  詐欺」などで検索してみれば「まあ、よくもこんなに」と思うほど沢山の事例が出てきます。

勿論、株や不動産その他の運用でも「必ず儲かる方法を教えます」のような詐欺は昔から見掛けますが、FXはなにか当たり前のようにいっぱいあるような気がします。

株と比べた場合、FXというものが日本に上陸したのが1998年とかなり新しく、金融庁が規制をかけたのが2005年、その間FX業者は金融庁への登録もいらない無法地帯でした。その辺が影響してかFXには必要以上に悪い印象を持っている人も多いですし、今でも金融庁に登録しなくてよい海外の業者が入り込む余地もあるようです。

顧客側も株などに比べて為替の方が身近ですし、ルールも分かりやすく少ない金額から出来るため、簡単に見えるのでしょうか。FXの詐欺の被害報告を見ていると2つのタイプがあるようです。

  1. そもそもFX業者が詐欺会社
  2. 必ず儲かるなどの情報商材を買ってしまう

です。

1.そもそもFX業者が詐欺会社

株式をやっている方は引っかかりやすいような気がします。株式では証券会社が詐欺会社なんてことは考えもしないです。

国内の主要なFX業者は大丈夫だと思います。FXの詐欺トラブルの多くは金融庁に届け出のない海外に拠点のあるFX業者になると思います。何が問題かというと、金融庁が顧客保護のためにしている規制や指導を受けないということです。

規制などなくてもきちっとしている業者はきちっとしていると思いますが、きちっとしていない業者が問題なのです。仮に裁判などという話になると、FX業者の拠点が海外なので日本の法律だけでは裁けず大変なことになるそうです。

2.必ず儲かるなどの情報商材を買ってしまう

入り口は、ブログなどから直でと言うのもありますが、無料メール登録からというパターンも多いようです。

情報を取ろうとする事は結して悪いことではないので難しいところです。ところで「あなたは自分が知らないだけで、絶対儲かる方法とか、80%の確率で儲かる方法とかはあると思いますか?」あると思っている方は詐欺師にしたら「スタンバイOK」の状態かと思いますので、気を付けて下さい。ないと思っている方は、騙されて「ある」と思わされないように気を付けて下さい。

それが最大の情報商材詐欺対策かと思います。無い物は買わないですよね。世界規模の金融機関が、大金をかけて開発している金融工学最先端の分野では、もしかしたらその状況でだけ使える、それに近い理論やシステムが生まれては消えを繰り返しているのかも知れません。しかしそれは、何百億円、何千億円を稼ぐための賞味期限の短い飯の種であって、人に教えるものではありません。

1億円稼げる方法を教えるという事は、1億円くれるという事よりはるかに大きいもらい物です。赤の他人にもらえる理由はないですし、100万円で買える理由もないですよね。

ただ、このタイミングでこういうことを言うのはどうかと思いますが、80%の確率で儲けられる人はいると思います。株もFXも対人の取引きなので、人よりもうまければ勝率は上がります。

例えばスポーツで「この試合に絶対勝てるか」と言われたら絶対とは言えませんが、振り返ってみたら毎年勝率80%で勝っていたと言う事です。

商売でも100人のセールスマンがいたとして、今週の目標が達成できるかと言われたら紛れはあると思いますが、1年間で振り返ってみると、実力のある人はよほどのことがない限り達成でき、実力のない人はよほどのことがない限り達成できません。ただ、「その人のやっていることをマネしましょう」と言われても、まず、そこまでの実力が無ければできません。コツコツと実力をつけながらFX友だちを探しましょう。気軽に相談できる友だちがいれば詐欺に引っかかる確率も激減すると思います。

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今回はFXのリスク後半で、為替変動リスク、流動性リスク、スリッページリスクと約定力、システム障害リスクについての解説です。

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為替とFX(1) FXの魅力は24時間 空き時間に出来、期間が自由

FXは、少額・短期・低コストに加えて24時間取引き、さらに為替という生活に身近かな指標が投資対象と、これから始めようという方に優しい設計になっています。そして、外貨を持つという事は大きな意味で円資産に対するリスクヘッジにもなります。

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