投資環境

投資環境(20)最先端の科学技術の情報収集は科学雑誌がお勧め。

前ページ     投資環境(19)株式投資の情報収集は証券会社のレポート・セミナーで

次ページ     投資環境(21)原油の指標 WTI 北海ブレント ドバイ原油の比較

今回は新しい理論や新薬、新技術などの科学雑誌のお話しです。

投資に結びつけた情報ならば、各証券会社のアナリストレポートなどがお勧めです。新しい理論や技術に、どのくらいの経済効果があるとか、どこの企業が関係しているなどの、投資に役立つまとめ方がされているからです。

一方、経済効果はいくら?とか、今すぐ投資に絡めてというお話しではなく、研究段階の情報も含めて最先端の科学技術の動向を知りたいのならば、月刊の科学雑誌がお勧めです。

科学雑誌ニュートンは、読みやすい文章とグラフィックが魅力

 

ニュートンの発行元のニュートンプレス社は、2017年に20億円の負債を抱えて破綻しています。しかし その後、民事再生手続きを経て、2021年9月の決算では、8500万円の資産超過になってきています。発行元の株式を買う訳ではないので気にしなくて良いと思いますが、念のため。

雑誌の内容は、科学に関する事全般です。そして、難しい話がすごく解りやすく書いてあります。ここが一番のお勧めポイントです。

ニュートンの記事は学者から取材して、記者が書いているものが多いそうです。学者から取材して記者が書くメリットは、記事を書くのに慣れている記者が書く事で、難しい話が解りやすく伝わる事ではないかと思います。ニュートンは、図解やグラフィックも多く楽な気持ちで読めます。

解りやすく書いてありますがボリュームがないわけではなく、科学に興味のある人には非常に読みごたえのある雑誌です。私は毎月、営業の合間に1ヶ月かけても、読みたい記事が沢山ありすぎて読み切れない程でした。

株式市場では、時々、画期的な新技術、新薬などが発表され、関連企業が急騰する事があります。

この雑誌を読んでいると、そういった初めて発表されたはずの新技術や新薬が、「どこかで聞いた」と思える事が度々あります。調べてみると何ヶ月か前のニュートンに紹介されていたりします。

急騰する銘柄に関連する記事は、ものすごく沢山紹介されている最先端の科学技術の中のほんの一握りなので、ピンポイントでその急騰する銘柄を買える訳ではありませんが、何となく自分の知識的な成長が感じられ、嬉しく思えます。

バックナンバーも購入出来るため、取り敢えず、興味のある号を読んでみては如何でしょうか。人によっては、大はまりすると思います。

なお、価格は2022年2月現在 税込1190円ですが、定期講読すると大幅な割引きがあります。

1年間定期講読で新規18% 継続22%、3年間で新規35% 継続40%、5年間で新規54% 継続58%OFFになります。

なお、中途解約は出来ませんので、定期講読を考えていても、試しに読んでみてからをお勧めします。

権威性があり硬い文章の日経サイエンス

ニュートンとよく比較される雑誌に日経サイエンスがあります。

サイエンティフィック・アメリカンという有名な米国の雑誌の記事を日本語に翻訳したものに、日本独自の記事を少し加えた雑誌です。サイエンティフィック・アメリカンは1845年創刊で、科学雑誌としても米国の定期刊行されている雑誌としても、世界最古と言われています。

発行元の日経サイエンス社は、日本経済新聞社と米国サイエンティフィック・アメリカン社の折半出資会社です。磐石の出版体制ですね。

紙面の感じは日経新聞に似ていて、日経新聞を読み慣れている人には読みやすい印象です。

ニュートンに慣れた状態で読むと、「字が多い・・・」という感じです。図解やグラフィックが少ない方が読みやすい人は、日経サイエンスがしっくり来るかも知れません。

ただ、海外の学者が書いた記事を翻訳してあるため、書いてある事以外の感情が伝わって来ないと言うか、微妙なニュアンスがない感じです。例えるなら、昔の洋画を字幕で見ている感覚です。私の読解力がもう少し高ければ違った印象になるのかも知れません。

日経サイエンスの記事は学者が直接書いているものが多いそうです。学者が直接書くメリットは、難しい話が正確に伝わる事ですが、解りやすく伝わるかは学者の文章力しだいです。

まとめ 結局どちらが良いのだろう

内容の難易度にはそれほど差は感じません。どちらも「科学に興味がある素人向け」という位置付けの雑誌です。

図解やグラフィックが多く、文章が読みやすいのはニュートンです。漫画とか図解入りの雑誌、お客様向けの説明文などを読み慣れた人にはニュートンの方が良いと思います。一般的にニュートンが読みやすいと云われている所以かと思います。

一方、日経サイエンスは、新聞とか教科書、学習書、社内向けの報告書などの硬い文章を読み慣れた人に馴染みやすいと思います。図解が多いとまどろっこしく感じる人は、ニュートンよりもしっくり来ると思います。

どちらも少し理屈っぽい科学雑誌でありながら、一般向けの雑誌です。目安として、新聞を購読している人であれば、どちらも許容範囲という方が多いと思います。後は、同じ物語を読むのに、字が多めの漫画を好むか、挿し絵が多めの小説を好むかの違いかと思います。

難しい文章は殆んど読まないという人には、どちらも難しく感じるかも知れません。

ただ、よっぽど科学に興味があるとか、論理的な文章を読み慣れている人でないと、科学雑誌を月に2冊も読むのは辛いと思います。内容が濃いので、斜め読みすると訳がわからなくなります。お試しが済んだらメインはどちらかに絞る事をお勧めします。

次ページ
投資環境(21)原油の指標 WTI 北海ブレント ドバイ原油の比較

世界の主要な原油指標は、北米のWTI、北海油田のブレント、産油国ドバイ、オマーンのドバイ原油の3つです。備蓄に関する事や、中東情勢、原油価格などが、特にどの指標に大きく影響するのか知っておくと良いと思います。

前ページ
投資環境(19)株式投資の情報収集は証券会社のレポート・セミナーで

証券会社の情報は、口座を開設するだけで読めるものが多く質はアナリストの能力によってバラつきがあります。日経ヴェリタスのアナリストランキングの上位者の多くは対面型大手証券に所属しており、読みたければ口座開設が必要です。どうしましょう。

 

-投資環境