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債券(3)主なリスク3つ+1つとカントリーリスク2種類

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ここでは債券のリスクについてお話ししたいと思います。主なリスクを上げていきます。

債券の主なリスクは 3つ+1つ(外債)です

  1. クレジット(信用)リスク
  2. 価格変動リスク
  3. 流動性リスク
  4. 為替リスク(外債)

などが主なリスクです。

1.クレジット(信用)リスク

会社の信用力に関わるリスクです。

重大なものになると頻度は低めですが、利払い・償還金・値下がりなど債券のあらゆる損失に関わってきます。会社の業績が悪化したり、将来の業績に関わる重大な問題を抱えたり、事件、事故に巻き込まれて赤字や倒産に追い込まれるなどです。

倒産あるいはそれに近い状態になると、「利払いや償還金」の「減額や不払い」にもつながってきます。この状態になると、途中売却したくても値段が付かず売却出来なかったり、値段が付いても半分以下だったり1/10以下だったりします。なお、倒産してしまっても全額丸損だと確定した訳ではありません。倒産した会社は債務整理を行い、会社に残った財産を返済順位の高い順に返していきます。(借金・社債)、劣後債、優先株、株式等の順番です。債券の場合返済順位が比較的に高いので何十%か返って来ることもあります。しかし、過度の期待は禁物です。無いものと思っておいた方が無難ですね。

倒産とは違いますが、会社の信用力が変わると、格付け機関が格付けを変更してきます。

格付けとは

格付け会社というものがあり、世界的に有名な所ではムーディーズ(米国系)、S&P(米国系)、フィッチ(欧州系)などがあり、日本ではR&I(格付投資情報センター)JCR(日本格付研究所)などがあります。

格付け会社は国や企業、金融商品などを対象に、格付け対象の内容を精査しAAA(それぞれに+-があるAA+など)からD(ムーディーズの表記は別)の格付けを行います。

債券の場合、格付けが一つ違うと金利などが目に見える程度には変わってきます。特にBBBとBBの間には大きな差がありBBB以上を投資適格債、BB以下を投資不適格債といいます。BB以下はいやないい方ではジャンク債、気取ったいい方ではハイイールド債などともいいますが同じものです。

また、年金や企業の運用機関などは、債券の格付けによって組み入れのルールが決まっている場合も多く、BBBは何%までとか、BBB格以下は組み入れ出来ないなどのルールがあると、A→BBBに格下げされた途端に内容の良し悪しにかかわらず、組み入れから外すために売られる事もあります。

具体的な損益の話をしますと、仮にBBBの債券の利回りの平均が2%として、BBの債券の利回りが平均3%だとします。もし、BBBからBBに格下げになると残存期間5年の債券なら1%×5年分で5%、100万円なら約5万円値下がりします。残存期間10年なら1%×10年分で100万円に対して約10万円値下がりします。逆に格上げされれば値上がり益が出るということですね。これは、あくまで途中売却した場合の話で、償還まで持ち無事償還されればBBBもBBも同じく100万円で償還されます。

債券価格の正式な計算式はこちらです。

債券価格=(利率×残存年数+100)×100÷(利回り×残存年数+100)

2.価格変動リスク

価格変動リスクのうちクレジットリスクから来るものを除くと、ほとんどは金利変動によるものなので金利上昇リスクと言っても良いかも知れません。

ここでいう金利上昇とは、格付けなどによる個別銘柄の金利上昇(クレジットリスク)ではなく、国(或いは世界)全体の景気動向や物価動向から来る、投資環境全体の金利上昇です。

先ほど少し説明しましたが、金利変動と債券価格の変動の関係を簡単に説明しておきます。

A(単価100円利率2%残存年数1年)の債券の利回りは2%です。市場金利が上昇して、他の同じような条件の債券が利回り3%になったとすると、Aの債券は2%なので魅力がなく買う人がいません。では、どうなるのかというと、利率の2%は変えられませんので単価の100円が値下がりし99円になります。すると、利率の2%の他に99円が100円になる分の1円が約1%ですので、合計約3%となり他の債券と利回りで釣り合う事になります。しかし、残存年数が1年ではなく5年になりますと3%と2%の差額1%が5年分必要になる為100円の単価が約5円下がり95円になって初めて約3%で釣り合います。

債券は残存年数が長いほど金利変動による振れ幅は大きくなります。

プロの何百億円の運用は別にして、個人の債券の基本的な運用は、様々な金利差を使って行っていきます。この低金利では為す術もあまりないのですけれど。

3.流動性リスク

債券を途中換金したい時に、すぐに換金出来ない事があるというリスクです。

転換社債などは市場に売りに出すことも出来ます。その他の国債や社債や外債などは概ねその社債を買った証券会社との相対取引(店頭取引)になるケースが多いようです。債券は非常に銘柄数が多いため市場取引よりも相対取引の方がメインになります。

相対取引で証券会社が買取る場合、ケースによっては買取価格が少し安くなる事や、場合によっては買取に応じられないケースもあります。

4.為替リスク

外債など外貨建ての債券を買う時は、債券のリスクの他に為替リスクも加わってきます。主に日本と対象通貨を発行している国の政治や経済の影響を受けます。円安(円の価値が下がる 100→105)は損、円高(円の価値が上がる 105→100)は利益と覚えて下さい。(FXなどの円売りポジションは別です)

カントリーリスクなどその他のリスク2つ

外債(特に新興国の債券など)を買う時にはカントリーリスクに気を付けて下さい。日本ではあまり考えられないようなリスクが存在します。

政治リスク

政権が交代し、前政権の約束が反故になるなどのリスクです。

インフレ(物価上昇)リスク

政府による物価のコントロールが出来ていない状況で物価が大きく上がり、金利も大幅に上昇するなど。(債券を買い付けた後、金利が大幅上昇すると長期債だと債券価格は大幅下落します。)また、物価高と言う事は通貨安と言うことでもあります。

世界的にはインフレ率10%以上はわりと普通にあります。良いとは言ってませんよ。90年代のブラジルのハイパーインフレは年率2000%を超えていたと思います。他にもアルゼンチン、ロシア(ソ連)、ギリシャなど名前の通った国々が破綻の危機を経験しています。

証券会社はこういうリスクも考慮した上で販売する通貨や銘柄を決めていますが、すべてを見通せている訳ではありません。投資の結果はすべて自己責任になります。やめた方が良いと言っている訳ではなくリスクを理解した上でやって欲しいと思っています。

まとめ

リスクを避けてリターンを取るなどという都合の良い話は(有るかもしれませんが)無いと思っています。

「市場の見通しでは大きなリスクだと思われていることが、自分の見通しではそれほどだとは思わない。だからこのリスクを取ってリターンを狙おう」という思考です。リスクを取るからこそ自分の見通しが当たった時にリターンを得られるのです。そのリスクの「大きさや確率は正しい評価なのか?もしリスクが現実になった時に対処の方法はあるのか?」などを考えて投資していきましょう。

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次回は、債券の種類別で国債、社債、劣後債など説明します。

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