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目次
石油と原油の違いや関係がよくわからない。石油と石油製品の違いって?
ネットで調べてみると答えはバラバラで、わかりずらく感じました。まとめます。
石油は総称です。原油も重油もガソリンも石油の一種です。
石油という大きな括りの中で、精製されていない石油を原油と言います。
原油を精製して出来上がった、重油や軽油、灯油、ナフサ、ガソリンなども石油の一種ですが、特に石油製品という言い方をします。
原油価格に影響を与える軽質油、重質油、硫黄含有量、産油コスト 等々
原油の単位のバレルは、1バレル=158.9リットル=約42ガロンです。
【原油の品質】原油の品質は、ガソリンなどになる軽質油が多く含まれていると良いとされ、重質油や、硫黄含有量が多い原油は質が落ちるとされています。
- 軽質油・・・室温で流動する粘度の低い石油。精製品は、ガソリン、灯油、ナフサなど。
- 重質油・・・粘度の高い石油。精製品は、アスファルト、重油など。
- 硫黄含有量・・・含まれる硫黄の量。硫黄分は、悪臭や大気汚染の原因になる。
【産油コスト】石油探査、採掘、プラント建設、輸送コスト、備蓄費用、保険料などがあげられます。
正確には生産地ごとではなく、油田ごとに違います。更に、同じ油田でも時間経過により、設備が新しくなったり、輸送コストが変わったりなどで変化します。
【原油の需要】原油の用途としては、発電、暖房などの熱源 約40%、自動車等の動力源 約40%、化学繊維やプラスチック等の原料 約20%です。
原油の埋蔵量って、ず~っと50年分位ある気がするけど何で?
原油の埋蔵量って、実はいろいろあって、普通にイメージするのとは少し違うんです。
現在発見されている地下資源の総量を原始埋蔵量と言います。普通の人がイメージする埋蔵量ってこれではないでしょうか。
原始埋蔵量の内、現在の技術で採掘可能な埋蔵量をベース埋蔵量と言います。
ベース埋蔵量の内、コスト的に採掘可能な埋蔵量を可採埋蔵量と言います。
可採埋蔵量は、更に、コストを回収出来る可能性が、10%以上の予想埋蔵量、50%以上の推定埋蔵量、90%以上の確認埋蔵量に分けられます。
一般的に言う埋蔵量は、確認埋蔵量の事です。確認埋蔵量を生産量で割った年数が可採年数と言い、埋蔵量何年分の事です。
つまり、コストを回収出来る可能性が90%未満の埋蔵量は、すべて埋蔵量の計算に入っていないのです。
日々変わる原油価格、技術の発達などにより下がる採掘コスト、変わる生産量 等々、いろいろな理由で可採年数は変わります。
そもそも、新しい油田が発見されれば、原始埋蔵量も変わって来ます。
では、原始埋蔵量ってどのくらいあるのでしょう。
どうも良くわかっていないようです。どこまでの確度を含めるかの見解も違うようです。
そもそも、ある程度正確なデータを取るためには、何年ものお金や月日を掛けた調査が必要になります。
商業的に可採埋蔵量を調べるという目的があって、初めてその油田のある程度正確な原始埋蔵量も調べられるようです。
彰かに採算が取れない所は詳しくは調べないですよね。深海とか地中深くとか大都市の地下とか。
電力料金やガソリン代の原油価格との関係について
電力料金やガソリン代には、原油価格の他に人件費や土地代、設備 等々、様々なコストが含まれているので、原油価格が2倍になったからといって、電力やガソリンのコストが2倍になる訳ではありません。
原油価格を電力料金に転嫁する仕組みは電力会社によって違います。
例えば、東京電力の場合、平成24年1~3月の原油、LNG(ガス)、石炭の価格を基準に、係数を掛けて燃料コストを計算します。そこからプラス・マイナスして電力料金を決めています。
ただし、基準価格の1.5倍が上限になり、それ以上は上がりません。燃料費がそれ以上上がってしまった場合は、電力会社の持出しになります。現在、もう上限に近いところまで来ているそうです。
ガソリン価格はどうでしょう。ガソリン価格は電力料金と違い、上限なく原油価格の上昇が反映されていきます。
しかし、ガソリン価格の約半分は税金です。急激に原油価格が上昇した場合など、税金を軽減する事で対処する事も可能です。
ところで、ガソリン価格が上がると街頭インタビューなどで「生活に支障をきたして困ります。」などと答えている都会の一般人がいます。どのくらい影響しているのか理解しているのでしょうか。
仮に燃費がリッター10kmだとして、50リットルで500km走れます。余程の自動車好きでない限りプライベートで月500kmは乗らないと思います。
ガソリン価格は10円値上がりしたら結構なものだと思うのですが、仮に20円値上がりしたとして、50リットルで月たったの1,000円のコストアップです。
商売以外で生活に支障をきたす人っていったい・・・。
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投資環境(21)原油の指標 WTI 北海ブレント ドバイ原油の比較
世界の主要な原油指標は、北米のWTI、北海油田のブレント、産油国ドバイ、オマーンのドバイ原油の3つです。備蓄に関する事や、中東情勢、原油価格などが、特にどの指標に大きく影響するのか知っておくと良いと思います。