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前回は今と昔の資産運用の環境の違いから、投資の必要性について考えてみました。今回は収入の面からです。
目次
日本の収益構造の変化(貿易収支、第一次所得収支、サービス収支、移転収支)
日本全体の収益構造を見るとここ20年くらいで大きく変わってきていることがわかります。
財務省が発表している国際収支状況と言うものがあります。日本が何で稼いでいるのかですね。
内訳は大きく4つ、貿易収支、第一次所得収支、サービス収支、移転収支に分かれます。
- 貿易収支 モノの輸出と輸入の収支です。生産等の労働で得た利益はおおまかにここです。
- 第一次所得収支 海外金融債権・債務から生じる利子・配当等(海外子会社からのものも含む)の収支です。投資収益などはここ。
- サービス収支 モノ以外のサービス貿易による収支です。旅行収支もここです。
- 移転収支 国際間の対価をともなわない取引き、国による無償援助や賠償などがあります。今回ここはあまり考えなくてよいです。
2000年以降の推移になりますが、
貿易収支は2000年~2007年まで10兆円~15兆円の黒字で推移し2011年~2015年まで赤字でした。2014年にはピーク10兆円ほどの赤字になっております。2016年からは黒字に復帰しています。2000年以前は概ね貿易黒字でした。生産等の労働で稼ぎづらくなっているのがわかります。
第一次所得収支は2000年には7兆円ほどでしたが徐々に増加し2018年にはなんと20兆円を越えてきています。2005年頃から貿易黒字を抜き日本の収益の柱になってきました。不労所得が増えていることがわかります。
サービス収支は2000年には5兆円ほどの赤字でしたが徐々に減ってきて、2018年には約9000億円の赤字まで減っています。そして、2019年の1-6月期は半期で初の黒字になってきました。2316億円の黒字です。
旅行収支に限っていえば、2018年は2兆円ほどの黒字で2019年1-6月期は過去最大1兆3000億円の黒字です。
国内の労働で稼げる数少ない分野のはずなのですが、末端の社員の給与に反映されているかは疑問です。
収入について 今昔
「今、日本は景気が良いのか?」という問いに対して、答えがはっきりと分かれる時代だとも思います。
昭和の終わり頃には、一億総中流などと言われていましたが、今は、億単位のお金を稼ぐ人たちがそこかしこにいて、一方で「老後の事を考えるとけっこう心配、計算したくない!」なんて人も多いのではないのでしょうか。億万長者になりやすい一方で、暮らしに不安の多い人たちも大勢います。
不景気な状態の人たちは、どうしたら抜け出せるのでしょう。もちろん色々な切り口はあると思いますが、ここでは、投資という切り口から見ていきたいと思います。
ちなみに色々な切り口の、そのどれも「取れるリスクを取る」というところから始まるのではないかと思います。「リスクを取る=責任を持つ=お金になる」と思っています。
昔々、イギリスのロンドンは産業革命以降100年かけて近代化したと言われています。
それを手本として、米国は50年で近代化し、日本はさらに25年で近代化したと言われています。
近代化する過程では大きな貿易黒字が発生しています。日本では高度成長期といわれていた時代ですね。
この時代は投資をしても大きく儲かりましたが、手に汗して働いても労働の実務の付加価値が総じて高く、それに応じた給料が支払われていたと記憶しています。
しかし、現在は労働の実務の付加価値が総じて低く、給料もそれに応じた、或いはそれ以上に抑えられていると思います。
会社の中核的な部分の社員であれば今も昔も、会社が不動産投資や証券投資、設備投資などを行なっていれば、その投資収益が給与やボーナスに反映されていたりします。
しかし、実労働に対して給与が支払われる職務や、会社自体が投資収益を上げるに至っていない場合に関しては、今も昔も会社の投資収益はあまり反映されません。
さらに現在は、利益を上げている会社の収益構造も変わってきており、投資収益や、AI、ロボットなど労働者の実務を必要としない収益が増えてきております。
まとめ
最初の「今、日本は景気が良いのか?」の問いに対して「景気が良い」と思える方は投資収益を享受できている方で、「景気が悪い」と思う方は投資収益を享受できていない方ではないかと思います。
低金利でしかも労働の価値が低く扱われている今、投資などの不労所得を得るための勉強は、老後の資金を確保するためにも、若いうちからしておいたほうが良いかと思います。
上手くいけば、思いがけず、若くして億万長者になれるかもしれませんしね。
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2回に渡って「投資は必要なのか?」について書いてきました。次は、いよいよ、「投資をしないリスクって?」について書きたいと思います。
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